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実務経験は無いけれど、FPの勉強を始めたからには1級FP技能士(以下「FP1級」と記載します)に挑戦して合格したいと考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
私もその一人で、FP3級と2級に独学で一発合格し、AFP認定研修を修了しました。まだまだ先は長いです。
この記事では、FP実務の未経験者がFP1級の受験資格を得るための方法と、その過程で必要な費用などを紹介します。
私がFP3級と2級に短期間の独学で合格した際に使用したお勧めの参考書と勉強方法は「3級・2級FP技能検定に独学・短期間で合格する参考書と勉強方法」でご紹介しています。
FP技能検定3級・2級・1級の難易度は「FP協会ときんざい(金財)のFP技能検定の難易度と合格率の推移」の記事で解説しています。こちらの記事にもFP技能検定の各級を受験する上でのポイントなどを記載していますので併せてご覧ください。
また、AFP認定研修については以下の前編と後編の記事に分けてご紹介していますので、受講を検討されている方は是非ご覧ください。
FP1級の受験資格
まずは両団体のHPを参考に、FP1級の受験資格について確認しましょう。
日本FP協会
参考:1級FP技能検定 試験要綱|日本FP協会 より

日本FP協会の場合「CFP資格審査試験の合格者」はFP1級の受験資格を満たします。
金融財政事情研究会(きんざい)
参考:金融財政事情研究会 (きんざい) FP技能検定 » 受検資格と申請方法 より

きんざいでは「日本FP協会のCFP資格審査試験の合格者」は実技試験の受験資格を満たします。
CFP資格審査試験の合格者はFP1級を受験できる
日本FP協会が実施する「CFP資格審査試験」に合格すれば、FP協会 と きんざい の両団体のFP1級の学科試験が免除され、実技試験の受験資格を得られます。
実務経験のない人はCFP資格審査試験の合格を目指しましょう。
「FP1級 未経験」や「FP1級 受験資格」などと検索すると “CFP資格審査試験に合格すること” と “CFP認定を受けること” を混同している記事が散見されます。
例えば、「FP1級を実務経験なしで取得する唯一の方法」と称して「CFP資格審査試験に合格後、みなし実務研修等を受講してCFP認定を受けることでFP1級を受験できる」と記載している記事がありますが、これは誤りです。
FP1級を受験するためにCFP認定を受ける必要はありません。CFP資格審査試験に合格すれば合格日の翌々年度末までに実施される1級FP技能検定の受験資格が得られます。
また、”CFP資格審査試験に合格すれば名刺や履歴書に CFP と記載して名乗れる” と記載されている記事もありますが、CFP資格審査試験に合格しただけでは CFP とは名乗れません。
CFP認定を受けて CFP と名乗るためには、CFP資格審査試験に合格した後にエントリー研修を修了し、実務要件を満たし、登録を受ける必要があります。
“CFP資格審査試験に合格すること” と “CFP認定を受けること” は全く異なりますので、両者の違いを正確に認識しましょう。
さて、実務未経験者がFP1級の受験資格を得るためにはCFP資格審査試験に合格すれば良いことは分かりましたが、CFP資格審査試験は誰でもいきなり受験できるわけではありません。
日本FP協会が認定する「AFP (Affiliated Financial Planner) 」に登録することでCFP資格審査試験を受験できるようになります。
この点を含めて、FP1級取得までのロードマップを見ていきましょう。
FP1級取得までのロードマップ
実務未経験者がFP1級を取得するまでのロードマップは次の画像の通りです。

AFP登録を行うまでの方法が2通りあるので、本記事ではそれぞれ【方法1】【方法2】と呼びます。
それぞれの方法でかかる費用やメリット・デメリットをご説明します。
- FP3級の試験に合格 (FP3級 受験料:8,000 円 (2023/07/15時点 日本FP協会の場合 以下同じ))
- FP2級の試験に合格 (FP2級 受験料:11,700 円)
- AFP認定研修(技能士課程)を受講・修了・AFP登録
ー AFP認定研修(技能士課程)受講料:13,420 円 (アーティスの講習の場合)
ー AFP入会金(登録費):10,000 円、AFP年会費:12,000 円
まず、FP2級の受験資格を得るためにFP3級に合格します。
続いて、AFP認定研修(技能士課程)の受講資格を得るためにFP2級に合格します。
FP2級合格後、AFP認定研修(技能士課程)を受講・修了し、AFP登録を行うことでCFP資格審査試験の受験資格を得ます。
この【方法1】でAFP登録まで済ませるために最低限必要な費用は 55,120 円です。
■ メリット
・FP3級→2級→AFP研修と段階を踏むので、FPに関する初歩的なところからじっくり学べる
・【方法2】より必要な費用が安くて済む可能性がある (受験会場が自宅の近くの場合など)
■ デメリット
・試験を2度受験しなければならないため、参考書代と旅費がかかる。
・1度でも試験に落ちた場合、【方法2】より費用と時間がかかる可能性が高い。
- AFP認定研修(基本課程)を受講・修了
ー AFP認定研修(基本課程)受講料:28,050 円 (アーティスの講習の場合) - FP2級の試験に合格 (FP2級 受験料:11,700 円)
- AFP登録
ー AFP入会金(登録費):10,000 円、AFP年会費:12,000 円
まず、AFP認定研修(基本課程)を受講・修了します。
基本課程を修了すればFP2級の受験資格を得られますが、この時点ではAFP登録はできません。
FP2級に合格することで初めてAFP登録を行えるようになり、AFP登録が完了すればCFP資格審査試験の受験資格を得られます。
この【方法2】でAFP登録まで済ませるために最低限必要な費用は 61,750 円です。
■ メリット
・国家試験の受験回数が1度だけでよい。(FP2級だけでよい)
■デメリット
・最低でも 61,750 円以上の費用がかかる。
どちらの方法を選ぶかは受験者の皆さんの都合で判断すれば良いと思います。
ちなみに私は【方法1】を選択しました。試験には落ちない自信があり、試験会場が自転車で行ける距離だったからです。
AFP認定研修は複数の機関によって実施されており、それぞれ必要な費用や修了までの期間、講座の質が異なります。
複数のAFP認定研修講座を比較して私が選択した、受講費用が安く、修了までの期間が短く、質問も可能なお勧めの講座は、以下の2記事でご紹介していますので、受講を検討されている方はぜひご覧ください。
CFP資格審査試験の概要と合格までの注意点
CFP資格審査試験は全6科目に合格する必要があります。
科目合格の制度があるため1度の試験で全科目に合格する必要はありませんが、AFP登録からあまり長い期間をかけずにCFP資格審査試験6科目全てに合格することが理想です。
その理由は、AFP資格を維持するためには毎年年会費を支払い、2年ごとの更新手続きでは所定の単位を取得するために継続教育を受講しなければならず、費用がかかり続けるからです。
私自身、AFP登録の直後に私生活に大きな変化があり、CFP資格審査試験に挑戦できないままAFP資格を維持するための出費が続いている状況です。
2023 年にはAFP資格更新のために継続教育を受講しましたので、その経験を基に以下の記事でお勧めの継続教育をご紹介しています。
なお、AFP資格を失効した場合、それまでに合格したCFP資格審査試験の科目も失効しますので注意が必要です。
CFP資格審査試験は出願する科目数によって受験料が異なります。
受験出願課目数 | 1課目 | 2課目 | 3課目 | 4課目 | 5課目 | 6課目 |
---|---|---|---|---|---|---|
受験料(税込) | 5,500円 | 9,900円 | 14,300円 | 18,700円 | 23,100円 | 27,500円 |
いよいよFP1級に挑戦
CFP資格審査試験に合格したら、いよいよFP1級に挑戦です。
CFP資格審査試験に合格している人は、FP協会・きんざい共に学科試験が免除されるため実技試験だけを受験することになります。
各団体の実技試験の実施形式と受験料は以下の通りです。
実施団体 | 実技試験の実施形式 | 実技試験の受験料 |
日本FP協会 | 筆記試験 (ペーパー試験) | 20,000 円 |
---|---|---|
金融財政事情研究会 | 口頭試問方式 (面接試験) | 28,000 円 |
おわりに
ファイナンシャル・プランナーが扱う保険・金融・税制・相続・不動産などの分野は、知っておくと得をする制度も学ぶことができ、勉強を始めると奥が深くて面白いですよね。
この記事がFP1級に合格するという目標に向かう方のお役に立てば光栄です。
これからFP3級、FP2級に挑戦される方には以下の記事がお勧めです。
AFP認定研修については以下の前編と後編の記事に分けてご紹介していますので、受講を検討されている方は是非ご覧ください。