この記事では、2023年度(令和5年度) 第二種電気工事士 技能試験 候補問題 No.4 の複線図の書き方を、豊富な図とともに詳しく解説しています。
2023年度 技能試験 候補問題 No.4 単線図
単線図から読み取れること
・単相2線式100V(1φ2W100V)と三相3線式200V(3φ3W200V)の2系統の電源回路あり
・「イ」のスイッチで「イ」の引掛シーリングを点灯させる
・三相3線式200Vの系統から電源を取りランプレセプタクル(電源表示灯)を点灯させる
使用する器具一覧
- 端子台(5端子:配線用遮断器(B)と漏電遮断器(BE)の代用)
- コンセント
- スイッチ
- 引掛けシーリング(角形)
- ランプレセプタクル(電源表示灯)
- ジョイントボックス
単線図から複線図を書く手順
単線図を基に、以下の手順で複線図を書いていきます。
- 配線図と同じ場所に器具を配置する
- 単相100V回路の接地側(N)と電灯・コンセントをつなぐ
- 単相100V回路の非接地側(L)とスイッチ・コンセントをつなぐ
- 三相3線式200V回路の電源を三相電動機につなぐ
- スイッチと電灯、電源表示灯と電源をつなぐ
- 電線の色や注意事項を書く
それでは、手順に従って複線図を書いてみましょう!
1. 配線図と同じ場所に器具を配置する
まずは単線図を基に、下図のように使用する器具を全て配置します。
スイッチと対応する器具が分かるよう、「イ」の記号を入力します。
2つの遮断器(配線用遮断器(B)、漏電遮断器(BE))は、1つの端子台(5端子)で代用します。
端子台部は上から配線用遮断器(B)の接地側「N」、非接地側「L」、漏電遮断器(BE)の3つの相「T」「S」「R」と書きます。
2. 単相100V回路の接地側(N)と電灯・コンセントをつなぐ
配線用遮断器の接地側「N」の電線を電灯とコンセントに繋ぎます。
電線同士を接続する箇所は、あとで見直してひと目で分かるよう黒丸「・」などの印を付けましょう。
3.単相100V回路の非接地側(L)とスイッチ・コンセントをつなぐ
配線用遮断器の非接地側(L)とスイッチ・コンセントをつなぎます。
非接地側(L)と「イ」のスイッチをつなぎ、「イ」からコンセントへ渡り線をつなぐという手順になります。
4. 三相3線式200V回路の電源を三相電動機につなぐ
三相3線式200V回路の電源を三相電動機につなぎます。
三相電動機のところは施工省略となっていますので、下図のように線をまっすぐ引くだけでOKです。
5. スイッチと電灯、電源表示灯と電源をつなぐ
まず「イ」のスイッチと「イ」の引掛シーリングをつなぎます。
続いて、電源表示灯(ランプレセプタクル)を電源につなぎます。
三相3線式200Vの回路は、どの2相につないでも200Vの電源が取れるのですが、下図では「T」相と「S」相から電源を取ることを想定して複線図を書いています。
実際の試験では、必ず試験問題に記される施工条件を確認して複線図を書いてください。
ここでは新たに書き足す電線をわかりやすくするために色をつけていますが、実際に複線図を描く際には色など付ける必要はありません。
6. 電線の色や注意事項を書く
電線の色を書きます。白をW、黒をB、赤をRと表記しています。
単相2線式100V側の回路では、配線用遮断器の接地側(N)につながっている電線は全て白(W) 、非接地側(L)につながっている電線は全て黒(B) です。
電線が赤色でなければならない(赤色以外に選択肢がない)場合のみ赤色で表示しています。
複線図完成
2023年度 技能試験 候補問題 No.4 の複線図完成です。
完成した複線図の高解像度版を用意していますので、もしお役に立つのであれば以下のリンクから画像をダウンロードしてください。
第二種電気工事士技能試験の試験時間は 40 分と短いため、複線図を書くことに時間をかけてしまうと施工が間に合わなかったり、焦って欠陥を発生させてしまいます。
長くても5分以内、できれば 2,3 分程度で、問題用紙の片隅にささっと書けるように練習しておきましょう。
慣れない複線図を書くことは最初は難しいですが、反復練習を行ううちに理解できるようになりますので、根気よく練習しましょう!
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