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この記事では、2022年度 (令和4年度) の電気工事士技能試験を有利に進められるお勧めの時短工具「合格クリップ」「合格マルチツール」の利点と使い方をご紹介しています。
電気工事士技能試験の時短工具
私が第二種、第一種電気工事士技能試験を受験した際に使用してとても便利に感じたお勧めの時短工具を2点ご紹介します。
合格クリップの利点
合格クリップは複数の電線を接続するときに電線をまとめられるクリップで、圧着作業前に接続の事前確認ができ、誤接続を防ぐことができます。
また、リングスリーブを使用し圧着工具を用いて接続を行う際に芯線被覆の端を揃えた状態を保持できるので、慣れない方でも素早くきれいに圧着作業を行うことができます。
合格クリップの使い方
合格クリップを使用する利点と使い方を写真でご説明します。
ご覧の通りかなりシンプルな工具なので、「使い方」なんて言うほど難しいものではありません。合格クリップをつまんで電線を通すだけです。
ただ、合格クリップを使って電線をすばやく綺麗に束ねるにはちょっとしたコツがあります。
それが次の手順です。
- 電線の長さは不揃いで良いので合格クリップに電線を通す
- 長さの基準となる電線を 1 本決めて、絶縁被覆の位置を基準の電線に合わせる
- リングスリーブを通す
写真付きで簡単にご説明します。
まずは合格クリップに電線を通します。電線の長さは不揃いで OK です。
続いて、位置の基準となる電線を1本決め、絶縁被覆の位置を基準に合わせます。
基準にするのはどの電線でもかまいません。
この状態を作れたらリングスリーブに電線を通しましょう。
リングスリーブの下部と絶縁被覆の間の芯線が 2 mm 程度見えるところまで電線を挿入します。
こんな感じです。
ちなみに、リングスリーブ圧着に関しては、欠陥と判断されて不合格になる例が多いので注意が必要です。
圧着が完了したら合格クリップを外しましょう。
この例では 1.6mm の電線が 4 本ですので、圧着の刻印は「小」です。
電線の太さと本数 | リングスリーブのサイズ | 圧着マーク |
1.6mm 2本 | 小 | ◯ |
1.6mm 3~4本 | 小 | 小 |
2.0mm 1本 + 1.6mm 1~2本 | 小 | 小 |
2.0mm 1本 + 1.6mm 3~5本 | 中 | 中 |
2.0mm 2本 | 小 | 小 |
2.0mm 2本 + 1.6mm 1~3本 | 中 | 中 |
これから技能試験の練習を始める方から見ると、「この程度の作業に時短工具 (合格クリップ) なんて必要なの?」と思うかもしれません。
やってみるとわかりますが、合格クリップなしで電線4本を圧着接続しようとすると、最初のうちは上手くいかなくてイライラしてきます笑
電線3本までなら電線を1本ずつリングスリーブに挿入していくだけで簡単に施工できますが、電線4本をリングスリーブ(小)に挿入する場面で合格クリップのありがたみが分かります。
具体的に言うと、合格クリップなしで電線 4 本をリングスリーブ(小)に挿入しようとすると次のような問題が発生します。
- ある電線を挿入しようとしているうちに、他の電線の位置がズレてしまう
- ようやく4本目が挿入できて圧着する段階で電線がズレてしまう
- そもそも1本ずつリングスリーブに挿入すると、最後の4本目が入らなかったりする
これらの問題を解消することができることが合格クリップの利点と言えます。
もちろん、現場の電気工事士でこんな工具を使って施工をしている人は一人もいませんが、あくまで電気工事士技能試験に合格するためと割り切って使うのはアリです。
合格クリップには次の画像のような専用ホルダーもついていますので、使っていない合格クリップがあっちこっちに散らばるということを防ぐことができます。
ちなみに、先ほどご紹介したこの画像の中でリングスリーブを押し込むために利用している工具は、このあとご紹介する時短工具の「合格マルチツール (DK-200)」です。
合格マルチツールの利点
電気工事士技能試験を有利に進められる工具「合格マルチツール」とは次の画像のような4つの部位を持つ工具です。
この4つの部位を駆使することで、電気工事士技能試験の施工時のさまざまな作業を行うことができます。
コレ1つで7役をこなすスゴい工具です。
それぞれの作業の使用例をご紹介します。
合格マルチツールの使い方
器具から電線を取り外す
写真のようにブレード部分を使用することで器具から電線を取り外すことができます。
詳しくは次の「埋込連用取付枠へ器具を取り付ける/取り外す」の項でまとめてご説明します。
埋込連用取付枠へ器具を取り付ける/取り外す
合格マルチツールの「ブレード」部分を使用すれば、技能試験中の次の2つの作業を簡単に・安全に行うことができます。
- 器具から電線を取り外す
- 埋込連用取付枠へ器具を取り付ける/取り外す
この 2 つの作業は、合格マルチツールを使用しない場合はマイナスドライバーを用いて行います。
しかしながら、マイナスドライバーは長くて力を込めやすい作りになっていますので、連用取付枠の金具部分や器具の電線取り外し用差し込み部分が破損してしまいやすいのです。
マイナスドライバー使用時にちょっと力をかける方向を間違えると、テコの原理で簡単に大きな力をかけられることは容易に想像出来ると思います。
たとえ普段マイナスドライバーで練習していて器具を破損させたことがなくても、試験会場では緊張したり、時間に追われて焦ってしまい、つい力が入って器具を破損させてしまうかもしれません。
電気工事士技能試験本番では器具の破損は欠陥と判断されて不合格となります(※)ので、練習の段階から安心できる道具を用いて練習し、器具を破損させないような取り扱いを心掛けましょう。
※ただし、ランプレセプタクル、引掛シーリングローゼット又は露出形コンセントの台座の欠けについては欠陥となりません。
技能試験の練習用材料 (電線と器具) セット (モズシリーズ など) を購入すると「プレート外しキー」という工具が付属している場合があります。プレート外しキーは便利な工具なのですが、プレート外しキーで出来ることは全て合格マルチツールのブレード部分を使えば出来ます。
どちらかを使用するなら上位互換の合格マルチツールを使用しましょう!
絶縁ブッシングとロックナットの締め付け
合格マルチツールの「レンチ(大)」部分を使用すれば、技能試験中の次の 2 つの作業を簡単に・安全に行うことができます。
- ボックスコネクタの絶縁ブッシングの締め付け
- ボックスコネクタのロックナットの締め付け
指でブッシングやナットを締めたつもりが締まりきっていなかったり、ウォーターポンププライヤーで締めようとして誤って器具を破損してしまうリスクを減らすことができます。
リングスリーブへの電線の挿入補助
電気工事士技能試験では、リングスリーブ下部から絶縁被覆までの間に芯線が 10 mm 以上出ている場合は欠陥となり不合格となってしまいます。
そのため、絶縁被覆がリングスリーブ下部ギリギリに来るように芯線を挿入しなければならないのですが、電線 1 本や 2 本ならともかく、リンススリーブ(小)に 1.6 mm の電線を 4 本も挿入する場合、かなり窮屈で上手くいかずイライラしてしまうことがあると思います。
そんなときに合格マルチツールの「リングスリーブ保持用穴」部分を使用すれば、小さくて持ちづらいリングスリーブを簡単に保持して押し込むできるため、絶縁被覆ギリギリまでしっかりと芯線を挿入することが可能になります。
合格マルチツールと本記事で先ほどご紹介した「合格クリップ」を組み合わせることで、時間のかかるリングスリーブ接続の作業を簡単に短時間で行うことができます。
ゴムブッシングの穴あけ
合格マルチツールの「ブレード」部分を使用すれば、ゴムブッシングの穴あけを行うことができます。
ねじなし管用ボックスコネクタの止めネジのねじ切り
合格マルチツールの「レンチ(小)」部分を使用すれば、ねじなし管用ボックスコネクタの止めネジのねじ切りを行うことができます。
試験を有利に進めましょう
合格クリップと合格マルチツールは高価な工具ではなく Amazon などで数百円で買えるので、本記事をお読みくださってご興味を持たれた方は是非使ってみてくださいね!
当ブログでは電気工事士試験の攻略情報を他にもご紹介していますので、よろしければ併せてご覧ください。