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無線従事者国家試験には電気通信術という厄介な実技試験がありますが、人によってはそれ以上に厄介な科目があります。
その厄介な科目とは、英語です。
英語の科目を受験しなければならない無線従事者国家試験の種別は次の通りです。
- 第三級 ~ 第一級 総合無線通信士
- 第三級 ~ 第一級 海上無線通信士
- 第一級 海上特殊無線技士
- 航空無線通信士
中学生の頃に英検 3 級に合格して以来英語などまともに勉強していない英語力ゼロの私にとって 、英語の試験は鬼門でした。
今までにいくつか資格を取得してきた私ですが、今回の第一級海上無線通信士試験の英語に合格するために費やした時間が一番長いと断言できます。それくらい必死にやりました!
おそらく、私と同じように「英語なんて全く分からない!まず何から始めればいいの?リスニング対策ってどうやるの?」と悩む受験者の方も多いと思います。
この記事では、英語力ゼロだった私が独学で第一級海上無線通信士 (一海通) に合格した経験を基に、英語が苦手な方向けの筆記・英会話 (リスニング) 対策の勉強方法、お勧め参考書・教材をご紹介します。
また、英語の試験のレベル(難易度)も併せて紹介しています。
無線通信士試験の英語に合格するための参考書
英語力ゼロから合格レベルに達するために使った参考書・教材
まずは、私が第一級海上無線通信士試験の英語の科目に合格するための対策に使用した参考書をご紹介していきます。
こちらで紹介する参考書を使った勉強の流れについてはこのあとご紹介します。
筆記試験だけではなく英会話 (リスニング) の対策を行う必要がありましたので、CD 付きでリスニングの練習もできる参考書を選びました。
英語力ゼロから無線通信士試験の英語に合格するコツと勉強方法
英会話 (リスニング) には足切りがあるため要注意!
無線通信士試験の英語の科目には英会話 (リスニング) と筆記の試験があり、合計 60 点以上で合格なのですが、 英会話 (リスニング) が 7 問中 3 問以上正答できていなかった場合はその時点で不合格となる足切りの制度があります。
筆記が満点でも英会話 (リスニング) が 2 問以下しか正答できなかった場合は不合格なのです。
そのため、”リスニングが苦手だから英会話 (リスニング) は捨てて筆記に注力する” といった戦略を取ることができず、リスニングもそれなりに練習をしておく必要があります。
試験に向けての勉強の計画を立てる際にはこの点に注意をして、リスニングについても十分に練習の時間を取れるように計画を立てましょう。
イチから真面目に文法を覚えようとすると時間がいくらあっても足りない
中学英語レベルの単語や英文しか読めない状態から英語の勉強を始める場合、まずは語彙力の上昇とともに文法を学ぼうとする人が多いかもしれません。
中学生の頃に 主語 (S) + 動詞 (V) + 目的語 (O) がどうとか勉強しましたよね。あれが文法です。
全然英語が出来ない私が言っても説得力ゼロですが、言語を学ぶのにいちいち構成がどうとか理論的なことから学ぶのは、一見理にかなっているようで実は遠回りのような気がするんですよね。
実は、今回英語の試験対策をするにあたって、文法を学ぶのに役立つと言われている ビジュアル英文解釈 (Part1) という参考書も購入して勉強していたのですが、なんだか小難しい英語の構成の話ばかりで全く英語力が上がる気がしなかったので、最初の 30 ページくらいまで進めた段階で使用するのを辞めました。
私には文法を学ぶ勉強方法は合わないと感じたので、現段階で文法を学ぶことは諦めて別の方法で勉強を進めることにしました。
英語力ゼロから英語の試験に合格する方法はズバリこれ!
とにかく英語に対する苦手意識をなくし、試験に合格することだけを考えた場合、重要なのは次の 2 点だと考えました。
- 多読で数多くの英文に触れて単語・熟語・連語の語彙を増やす
- 毎日リスニング教材を聴いて耳を英語に慣らす
最悪、文法を全く知らなくても単語や熟語を知っていれば、その英文が言わんとしていることはなんとなく理解できます。
それに、多読しているうちに簡単な文法は勝手に身についていくものです。
私が合格した勉強方法
- 勉強開始 ~
10 日目までまずは久々に英語を勉強するということで、簡単な英文に慣れるため、また単語を思い出すことから始めるため、英検準 2 級集中ゼミ に取り組みました。
本書のカリキュラムでは 20 日間で本書を 1 周するのが基本ですが、勉強し始めでやる気が溢れていたのか 10 日間で終えることができました。
ちなみに、英検準 2 級は高校 1 年のレベルの試験で、中学 3 年で合格する人も珍しくないレベルだそうです。
- 10 日目 ~
試験 3 週間前英検準 2 級集中ゼミ を終えてからは、多読・多聴を目的に、ひたすら DUO 3.0 の参考書とリスニング CD に取り組みました。
目的は、単語・連語などの語彙力とリスニング力の底上げのためです。
家では “今日は何セクション(※)進める” と決めて参考書で勉強し、通勤時やウォーキングなどの運動をする時にリスニングの勉強をしました。
(※)DUO 3.0 は全 45 セクションで構成されており、1 セクションあたり 12 文ほどの英文で単語や熟語を学びます。
- 試験前 3 週間無線従事者国家試験問題解答集 & 無線通信士等英会話 CD で過去問対策
試験まで残り 3 週間になった頃からは、いったん DUO 3.0 での勉強はやめ、過去問対策に取り組みました。
参考書紹介の項でも書きましたが、無線通信士の英語の試験には、航海や無線技術・無線法規に関する英文が出題され、中には英検 1 級レベルのマニアックな単語・用語なども含まれています。
英語学習の教材として評価の高い DUO 3.0 でも流石にそのあたりの単語まではカバーしていないため、過去問を通してそれらの単語・用語を学び、試験の得点につなげる狙いです。
- 試験本番試験本番の手応え
筆記試験については完全に狙い通りで、DUO 3.0 などの普通の英語の参考書で勉強していては絶対に身につかなかったであろう単語・用語を含む問題も、無線従事者国家試験問題解答集で勉強していたおかげで解くことができました。
また、リスニングについても、自信を持って解答できたのが 4 問、まぐれ当たりが 1 問で、7 問中 5 問正答することができ、足切りを回避することができました。
試験の直前に取り組んだ、本番と同じ速度や内容でリスニングの練習ができる無線通信士等英会話 CD が非常に有効でした。
英語の試験の難易度 (レベル) は?英検何級レベル?TOEICは?
まだまだ “英語ができる” とは言えない英語力の私ですが、なんとか海上無線通信士試験の英語の科目に合格することはできました。
前述したとおり、試験直前に 無線従事者国家試験問題解答集 や 無線通信士等英会話 CD に取り組んだおかげで、試験に出やすい単語・用語をピンポイントで学ぶことができたという “戦略勝ち” 感も否めません。
果たして、こんな状況で合格できた無線通信士試験の英語の難易度はどれくらいなのでしょうか。
試験に合格した今、あらためて試験勉強に用いた 英検準 2 級集中ゼミ を読むと、勉強開始当時よりは明らかにすらすらと英文を読めるようになっています。
一方で、WEB 上の英検 2 級の過去問などを見ると知らない単語や訳せない英文などもあることから、
無線通信士試験の英語の難易度 (レベル) は 英検準 2 級 ~ 英検 2 級 レベルだと考えます。
TOEIC 換算でどれくらいのレベルなのか気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、私は TOEIC を受験したことがなく、TOEIC 対策の参考書も使ったことがないので言及することは避けておきます。
まとめ
今回、無線通信士試験の英語の科目に合格できたのは、勉強の計画を上手く立てられたことが要因だと考えています。
- 自分にとって難しすぎない 英検準 2 級集中ゼミ で英語に慣れる
- DUO 3.0 の 参考書&リスニング CD で語彙力 & リスニング力の底上げ
- 試験直前に 無線従事者国家試験問題解答集 や 無線通信士等英会話 CD を解いて過去問分析
1. はともかく、2. の DUO 3.0 の取り組みからの 3. の過去問分析への流れが功を奏しました。
DUO 3.0 の取り組みだけ、もしくは過去問分析だけでは、おそらく英語の科目に合格することはできなかったでしょう。
DUO 3.0 だけでは無線や航海に関する専門的な単語・用語が分からず読めない英文が出てきますし、過去問分析だけでは単純に語彙力やリスニング力が圧倒的に不足してしまいます。
この両方を組み合わせたことで、実際にはそれほど高くない英語力でも試験に合格できたのです。
私と同じように英語力ゼロ・英語に苦手意識がある状態から無線通信士試験の英語に挑戦される方の参考になれば幸いです。
ちなみに、英語が読める・聞き取れるようになる楽しみを覚えてしまったので、今後も英語の勉強は続けていくつもりです。途中で挫折した ビジュアル英文解釈 PART 1 もいつの日か役立つでしょう!
当ブログには、英語以外の科目についても第一級海上無線通信士試験の対策に役立つ記事を公開していますので、ご興味があれば是非ご覧ください。