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この記事では、著者が第二種冷凍機械責任者試験に独学で合格する過程で作成した受験対策用ノートを公開しています。
過不足はありますが、第一種、第三種冷凍機械責任者の受験者にも役立つ内容となっています。
参考書を持っていない外出先の空き時間などに、モバイル端末を使って軽く復習したい時などに活用していただければと思います。
第二種冷凍機械責任者試験の受験対策時に作ったメモですので、第三種および第一種冷凍機械責任者試験を受験する方にとっては過不足のある内容となっていますが参考にはなると思います。
受験する種別 | 本記事の内容の過不足 |
第三種冷凍機械責任者 | 第三種には「学識」の科目がないため本記事全てを覚える必要は無い |
第二種冷凍機械責任者 | 本記事の内容は最低限理解しておきたい |
第一種冷凍機械責任者 | 本記事の内容だけでは落ちる |
復習・確認用には使える内容かもしれませんが、イチから勉強するなら、体系立てて学ぶことができ、図入りで理解しやすい初級テキストと上級テキストを隅から隅まで読んだほうが良いです。
また、本記事の利用にあたっては以下の点に注意してください。
- 誤字脱字をふんだんに含んでいると思われます
- 根本的に間違っている箇所もあるかもしれません
- 適当に見出しをつけて分類していますが「なぜこの項目がここに?」というものが複数あると思います
著者が受験勉強をする過程で適当に作ったノート (メモ) を公開しているだけなので、出来の良さは期待しないでください。
圧縮機
・湿り蒸気を吸い込むと、吐出しガス圧力は低下する。液戻りが続くとクランクケース内の潤滑油に冷媒液が混じり、オイルフォーミングが発生することがある。
・吸込み弁の漏れは、ピストンの圧縮、吐出し工程でシリンダ内の高圧ガスの一部を吸込み側に逆流させ、圧縮機の吐出しガス量を減少させるので体積効率の大きな低下を招く。しかし、吐出し弁の漏れほど吐出しガス温度を大きく上昇させることはない。
・吐出し弁が漏れると、吐出しガス温度の上昇を招き、体積効率と断熱効率が大きく低下し、潤滑油を劣化させる
・吸込み圧力が異常に低下すると、冷媒不足、膨張弁の作動不良、ドライヤーの詰まり等により冷媒循環量が不足して圧縮機の吐出しガス温度が上昇し、過熱運転となる
・往復圧縮機に使用される油圧保護スイッチは、圧縮機の給油ポンプ圧力とクランクケース内圧力との差圧を検出し、これらの圧力差が設定値以下になると圧力スイッチの電気接点を「開」にして圧力機を停止させる。
・往復圧縮機の加熱運転の原因
― 圧縮機の不具合、吐出しガス圧力の上昇、密閉往復圧縮機では電源の異常な低電圧
遠心圧縮機(遠心式)
・容量制御は、吸込み側にあるベーンダンパーの開閉によって行うが、ベーン開度が閉まってきて低流量になると運転が不安定となるサージングを発生することがある。
コンパウンド圧縮機
・1台の多気筒圧縮機の気筒を高段用と低段用に別々に作動するよう区分けし、1台の圧縮機で二段圧縮方式で運転する。高段圧縮量に対して低段側圧縮量は2または3の比率で運転する(一般に1:3)。
・コンパウンド圧縮機は、二段圧縮機の冷凍サイクルを実現するために、低段側と高段側の2台の圧縮機を直列に結合し、1代の電動機によって駆動できるようにした圧縮機。中間冷却器を通さず、中間冷却器で蒸発してきたガスと混合させて直接高段側に吸入させる。
・中間冷却器が必要。
スクリュー圧縮機(容積式圧縮機)
・ロータとロータやロータとケーシングの隙間から圧縮したガスが逆流して漏れるのを防止するために、30~40度程度の油を噴射することにより吐出し冷媒ガスを冷却する。その温度は断熱圧縮した場合よりも低くなる。
・吸込み弁と吐出し弁がなく、停止時に高低差の差圧でロータが逆回転するので、吐出し側または吸込み側に逆止弁が必要となる
ロータリ圧縮機・全密閉~(容積式圧縮機)
・ルームエアコン用。圧縮したガスが発熱した電動機の熱を冷却して吐き出される構造になっているため、電動機の温度は吐出しガス温度より高い
・シリンダへの吸込口の閉塞はロータリ自身によって行われるので吸込み弁は必要ない
・吸込管が直接シリンダに接続されており、液圧縮を起こしやすい。液分離器(アキュムレータ)を取り付けて液を分離して液圧縮を防止する。
スクロール圧縮機
・吸込み弁と吐出し弁を必要とせず、比較的液圧縮に強い。また、吸込みと吐出しの動作がなめらかであり、トルク変動が非常に小さく、振動や騒音が小さい。さらに、体積効率、断熱効率、機械効率が高く、高速回転にすぐれた特徴を持っている
・スクロールの設計構造で圧縮の始まりと終わりの容積比が定まり、この容積比によって圧縮の圧力比が決定される。
往復動圧縮機
・1台あたりの気筒数が1~2の小型のものは一般に容量制御機構を持たず、潤滑方式に「はねかけ式」を用いている。
・気筒数が4,6,8のものは、容量制御機構(アンローダ)を持った多気筒圧縮器で、潤滑方式は油ポンプによる強制給油方式を用いる
容量制御機構(アンローダ)
・多気筒圧縮機に用いる。
・冷凍装置の蒸発器熱負荷が減少し、蒸発器圧力が低下すると、アンローダが作動して圧縮冷媒量が減少し、庫内温度と蒸発温度との温度差が大きくなる
・蒸発器の負荷減少時に、吸込み圧力の低下、冷凍トン当たりの消費電力の増加、成績係数の低下などの防止に有効である
凝縮器
・冷媒側の冷却管の熱伝達率の値は 水冷式>蒸発式>空冷式 の順に大きい
・水冷凝縮器の冷却管に用いるローフィンチューブは、フルオロカーボン用として使用され、管の有効外表面積を一般に内表面積の3.5倍~4.2倍くらいにする
冷却管の熱通過率Kは有効外表面積の伝熱面積Aの基準として表される
・フルオロカーボン水冷凝縮器の場合、冷却管内を冷却水が流れ、管外面で冷媒蒸気が凝縮する。冷却水側の熱伝達率は冷媒側の2倍以上大きい
・冷却塔の補給水量は、ブロー水量と蒸発量の他に飛沫による損失も含めて、通常の場合、循環水量の1.2~2%程度である。
・空冷凝縮器では、一般に前面風速は1.5~2.5m/s、ファン回転速度は1000rpm程度とする
前面風速を大きくすると、空気抵抗が増大し、送風機の動力が大きくなり、空気側の熱伝達率が向上する
・水冷横型シェルアンドチューブ凝縮器に不凝縮ガスが存在するかの確認
圧縮機を停止して、凝縮器の冷媒出入り口弁を閉止し、冷却水はそのまま20~30分通水する。その後凝縮器の圧力が冷却水温に相当する冷媒の飽和圧力より高ければ不凝縮ガスが存在していると判断する
・水冷横型シェルアンドチューブ凝縮器の運転中に凝縮圧力が異常に上昇する原因
―装置内への空気の侵入、冷却管の汚れ、冷却水量の不足、冷却水温の上昇、凝縮器内に凝縮液の滞留
・受液機をもたない空冷凝縮器
凝縮器の出口よりに凝縮した液が充満する領域がある。有効に凝縮に使われる伝熱面積がこの領域分だけ減少する。
そのため、冷媒を過充填してこの領域の割合が大きくなると、凝縮の温度と圧力が高くなり、凝縮器の出口駅の過冷却度が大きくなる
蒸発式凝縮器
・冷却水の蒸発潜熱を利用して冷媒蒸気を凝縮しており、冷却塔を用いた場合と同じ量の冷却水を消費する。空冷式に比べて凝縮温度を低くすることができる。
・冷却管内に冷媒蒸気、外面に通風しながら冷却水を散布し、その冷却水の一部が蒸発する。その蒸発潜熱で冷媒蒸気を冷却凝縮する。
低圧部
空気冷却器
・蒸発温度と入り口空気温度との温度差は、
冷蔵用:5~10K、空調用:15~20K程度に設定する
・R22
膨張弁
フィンコイル乾式蒸発器に使用する温度自動膨張弁
・膨張弁の過熱度設定値が大きいと、蒸発管の全長に対して過熱領域の割合が大きくなり、蒸発器全体の平均熱通過率の値が小さくなる
・感温筒取付部の冷媒蒸気出口管の管内冷媒蒸気を3~8K程度過熱した状態になるよう制御する
外部均圧形温度自動膨張弁
冷媒流量の制御は、蒸発器出口冷媒蒸気の過熱度によって行う
膨張弁と蒸発器の間にディストリビュータを用いる冷凍装置では、圧力降下が大きくなるので、必ず外部均圧形温度自動膨張弁を用いる
温度自動膨張弁
・感温管のチャージ方式
→ガスチャージ方式
冷凍装置の始動時の液戻り防止や圧縮機駆動用電動機の過負荷防止に有効である
特に、ホットガスデフロストを行う装置、ヒートポンプ冷暖房兼用装置などに有効
チャージ媒体量を少量に制限しているため、感温管温度が過度に上昇するとチャージ媒体のすべての液が気化してしまい感温管内に液がなくなってしまい、内部の圧力が一定圧以上にならなくなる
・蒸発圧力調整弁と温度自動膨張弁とを組み合わせて使う場合は、感温管は蒸発圧力調整弁の上流(蒸発器側)に取り付けなければならない
低圧自動膨張弁
負荷変動の少ない、比較的小型で単一の冷凍装置に用いられる
キャピラリチューブ
絞り膨張機構の一種で、主として小容量の家庭用電気冷蔵庫やルームエアコンなど、熱負荷変動の少ない冷凍装置に用いられる
電子膨張弁
温度自動膨張弁と比べて、調整器によって演算処理し、電気的に駆動して開閉の操作を行い、幅広い制御特性にすることができる
蒸発器(冷却器)
フィンコイル乾式蒸発器
・ファンなどによって被冷却物の空気を強制的に流し、伝熱面に適切な流速をもたせて熱通過率の向上を図る
・必要な冷却能力を効果的に得るために、冷却にあまり寄与しない過熱部の伝熱管長を短くする。そのために、蒸発器の冷媒出口側に冷却しようとする空気を吹き込むようにし、冷媒と空気とを向流方式にするのが望ましい。
・冷却管内を冷媒と共に油が流れ出てくるため特別な油戻し装置を必要としない。しかし、蒸発器出口側に冷媒蒸気を加熱状態にするための伝熱面積(伝熱管など)が必要となる。
・満液式に比べて、システム全体の冷媒量が少なくてすむ。
・乾式蒸発器が多数の管路を持つ場合
各管路への冷媒供給量がアンバランスになった場合、蒸発器の能力が減少し、過熱度が適正に取れず液戻り減少などが発生する。アンバランスをなくし、各々の管路への冷媒供給量が同じ量になるように分配器(ティストリビュータ)を用いる
乾式空気冷却器
・除霜方法として、オフサイクル方式は送風機を運転して除霜を行う
・ホットガスデフロスト方式および電気ヒータ方式では、一般的に室内機の送風機を停止した上で冷房運転に切り替えて行う。
フルオロカーボン蒸発器
冷媒側:油が滞留することで熱通過率が低下する
アンモニア蒸発器
冷媒側:伝熱管内部に内面への油膜の形成で熱通過率が低下する
満液式シェルアンドチューブ蒸発器
・冷却管内に水を流し、冷却管と円筒胴の間に冷媒液を満たしている
・満液式蒸発器は、乾式蒸発器に比べて伝熱性能がよく、かつ器内冷媒の圧力降下が小さい
乾式シェルアンドチューブ蒸発器(水冷却器)
・冷媒が冷却管の中を流れる。水またはブラインは冷却管の外側。
・冷却管内にフィンを付けたインナーフィンチューブを用いて伝熱を促進することが多い
・乾式蒸発器使用の冷凍機において、蒸発器に多量の液が残留したままで運転を停止したとき、再始動時に液戻り運転になることがある
→この防止策として、運転停止時には蒸発器内に冷媒液が残留しないように、運転停止前に圧縮機で冷媒を吸引して液戻りを防止する
冷媒液強制循環式蒸発器
・蒸発する冷媒液量の3~5倍の冷媒液を液ポンプで強制的に冷却管内に送り込むため、冷凍不可の変動があっても、低圧受液器が状態変動の緩衝器の役割をし、冷凍装置全体への運転状態の影響は少ない
・ブライン散布方式による除霜
不凍液を運転中常に冷却器表面に散布することで着霜そのものを防止する方式
水分は不凍液と一緒に回収されるが、回収された不凍液は濃度が薄くなるので、加熱して水分を蒸発させ、一定の濃度を維持しなければならない
・散水方式による除霜
蒸発器への冷媒の供給を止めて、器内の冷媒液を蒸発させてから送風機の運転を停止し、冷却器上部から10~25℃程度の温水を散布する
・冷凍・冷蔵庫用のユニットクラーのフィンピッチは、霜となってフィン表面に付着し、空気の通過を妨げるので、10~15mmのフィンピッチのものを用いる
冷媒・ボンベ・真空乾燥
・非共沸混合冷媒
相変化時の伝熱性能は単成分冷媒よりも劣る。相変化時に生じる温度変化幅を温度勾配という。
非共沸混合冷媒用の伝熱性能向上策を講じる必要がある
非共沸混合冷媒用ボンベには「サイホン管付き」と「サイホン管なし」 がある
装置への冷媒液充填は 管付き→ボンべを正立 管なし→ボンベを倒立させて 行う
・真空乾燥
冷媒充填前に装置内を乾燥させるために真空ポンプを用いて装置内の水分を含んだ空気を換気する。0.67kPa以下の高真空に達してから数時間保持する。
真空に到達すると水が凝固しやすいので、装置自身の温度をできるだけ高くして水分を蒸発しやすくする。
制御装置
断水リレー
水冷凝縮器や水冷却器の冷却水回路の断水または大幅な減水、水圧の低下を検知して圧縮機を停止させたり警報を発するもの。圧力式とフロースイッチがある。
→圧力式:流水状態と断水状態とで冷却水出入り口間の圧力差の変化を検出する。圧力降下を検出する圧力式断水リレーは圧力降下の小さい流路には使えない
→フロースイッチ:流量式。圧力差の小さい流路に設け、圧力降下を検出する断水リレー。
フロートスイッチ
満液式蒸発器、冷媒液強制循環式蒸発器などで、冷媒液留め器内の液量の制御を行う
液面高さの上昇・下降にともなうフロートの動きを電気信号に買え、電磁弁が冷媒を送液したり停止したりして液面レベルを一定に保持または液を容器から排除する。全自動で操作部を持たない。
(油圧保護)圧力スイッチ
多気筒圧縮機などの大型圧縮機では、潤滑油ポンプを内蔵または外部に装着している。
運転中に油圧が保持できなくなると、圧縮機の軸受などが潤滑不良で焼き付け事故を起こす危険があるため、一定時間経過しても給油圧力を保持出来ない場合には圧力スイッチの電気接点を「開」にして圧縮機を停止させる。
給油ポンプ圧力とクランクケース内圧力との差圧を検出し、差圧が設定値以下で一定時間経過すると圧縮機を停止させる。
開と閉の間の圧力差のことを「動作すきま(ディファレンシャル)」といい、圧力差は調整が可能。
圧力スイッチは手動復帰式。
蒸発圧力調整弁
・蒸発器出口側に設けて、蒸発圧力を一定値以下にならないように弁を閉じて制御する
・冷媒流量が減少することにより、圧縮機吸込み圧力も低下する
・冷水用またはブライン用蒸発器の圧力を冷凍温度(圧力)以下にならないように制御することによって冷却器の凍結を防止することもできる
・1台の圧縮機において蒸発温度の異なる複数の蒸発器を運転することができる
→蒸発圧力の高い蒸発器の出口側に設けて、蒸発圧力が設定圧力より下がらないよう制御する
・水冷却器の凍結防止、被冷却物の一定温度管理、1台の圧縮機による蒸発温度の異なる複数蒸発器の運転
凝縮圧力調整弁
・空冷凝縮器の出口側に取り付ける。入口側圧力が低下すると弁を閉じ、上昇すると弁を開く圧力比例制御弁である。弁が閉じているときに空冷凝縮器内に冷媒液を滞留させて凝縮圧力を高め、冬季にも正常な運転ができるようにする。
・凝縮器への液の滞留により凝縮圧力を制御しているため、装置の冷媒充填量に多少の余裕が必要となり、そのため受液器がなければならない
四方切換弁
冷暖房兼用ヒートポンプに用いる。切替時に高圧側から低圧側への冷媒の漏れが短時間起こるので、高圧側・低圧側間に圧力差が十分にないと切り替えができない。
付属機器
中間冷却器
フラッシュ式 ― 二段圧縮二段膨張式
― 液冷却式 ― 二段圧縮一段膨張式
直接膨張式
油分離器
・装置全体の配管距離が長い、蒸発器の台数が多いなど、油が冷媒系統内を循環して圧縮機クランクケースに戻ってくるのに時間がかかる装置に設置する。
冷凍装置内を循環する油をへらし、凝縮器や蒸発器での伝熱作用が油により阻害されることを防ぐ。
液分離器
・蒸発器出口側と圧縮機の間に設置し、圧縮機吸込み蒸気に混入されている冷媒液を分離する。
アンローダが作動して液戻りが発生した際に混入されている冷媒液を分離する(液戻り防止)
液ガス熱交換器
・フルオロカーボン冷凍装置で用いる。
凝縮器から出た稿本冷媒液と、蒸発器から出た低音冷媒蒸気との間で熱交換させ、冷媒液の過冷却度と圧縮機吸込み蒸気の過熱度を適度にもたせる。冷媒液を過冷却することで液管内でのフラッシュガス発生を防止する。
圧縮機側では液戻り防止にもある程度有効。蒸発器の効率が良くなるので若干冷凍能力も向上する。
液管が長い場合や液管の立ち上がりの高さが大きいときに有効。
ろ過乾燥機
・フルオロカーボン冷凍装置で用いる。アンモニア冷凍装置では用いない。
冷媒系統内の水分を除去する
不凝縮ガス分離器
・アンモニア冷凍装置で用いる。フルオロカーボンは?
装置内に不凝縮ガスが存在すると凝縮圧力が上昇し、冷凍能力の減少、消費動力の増加などの不具合が生じるため不凝縮ガスを装置外に排出する必要がある。
装置上部に不凝縮ガスが溜まると器内の冷媒液面が下がるので、放出フロート弁が開いて不凝縮ガスは器外に排出される。若干の冷媒も一緒に排出されるため、除外設備を儲けて冷媒(アンモニア)を直接大気中に排出しないようにする
低圧受液器
・冷媒液強制循環式冷凍装置の蒸発器に低圧冷媒液を送り込むための液だめ
・蒸発器から戻った冷媒を気液分離する
・運転状態が大きく変化しても冷媒液ポンプが安定して運転を続けられるよう、十分な液量の保持と一定した液ポンプ吸込み揚程を確保する
高圧受液器
・容量は修理時に装置内の冷媒充填量の大部分を回収できる容量とし、回収される冷媒液は受液器の内容積の80%以内とする
サイトグラス
・冷媒液配管内に設置。運転中にフラッシングによる気泡など冷媒の流れの状態を見ることができる。のぞき窓の内側に水分含有量により変色するモイスチャインジケータがあり、冷媒中の水分含有量が許容範囲にあるかどうかを支持色によって判断できる
冷媒配管
銅管
・ろう付けによって接合する。BAg系のろう材がよく使われる
油戻し配管
・油を含んだ冷媒液を絞り弁を通して少しずつ抜き出し、液ガス熱交換器で冷媒液を気化したあと圧縮機に油を戻す
配管用炭素鋼鋼管(SGP)
・使用できるのは-25℃まで
・毒ガスに係る配管、設計圧力が1MPaを超える配管、設計温度が100℃を超える配管には使用できない
吐出しガス配管
・冷媒ガスとともに圧縮機から吐き出された油が冷媒ガスに確実に同伴されるように、冷媒ガスの流速が 横走管で3.5m/s 以上、 立ち上がり管で6m/s以上 となるとともに、
冷媒ガスの弁の絞りや管の摩擦抵抗損失による圧力降下は 0.02MPa を超えないように配管径を決める
横走管の支持間隔
・管の材質および管径でその値が決められている
鋼管:管径20mm以下 1.8m以内、 管径25~40mmで間隔2.0m以内
銅管:管径20mm以下 1.0m以内、 管径25~40mmで間隔1.5m 以内
安全装置
圧縮機用安全弁
・必要最小口径 d=C√V d:口径、C:冷媒ごとに異なる定数、V:ピストン押しのけ量
・圧縮機用安全弁は吹き出し圧力において圧縮機が吐き出すガスの全量を噴出することができなければならない
溶栓
・圧力容器が表面から加熱されて昇温したときに所定の温度(75℃)で溶解して容器内部が大気圧になるまで冷媒を放出するもの
・毒性ガス、可燃性ガスには用いてはならない
・凝縮器においては、内容積が500L以上のものについては使用できない
高圧遮断圧力スイッチ(高圧遮断圧力装置)
・安全弁の作動圧力より低い圧力で動作し(安全弁が作動する前に圧縮機を停止する。)、高圧部の許容圧力以下の圧力で作動するよう設定する
・圧縮機吐出し部で吐出し圧力を正しく検出する位置に圧力誘導管で接続する。圧力誘導管は、油やスケールが流入しないように配管の上部(上面側)に接続する。
容器が封鎖(液封)される構造になっているもの
・安全弁、破断版または圧力逃し装置を取り付ける
破断版
・可燃性ガス、毒性ガスには使用できない
・破断版の口径は安全弁の口径と同じ
・冷媒設備に破断版及び安全弁を取り付けた場合には、破断版の破断圧力は安全弁の作動圧力以上とする
・破断版の破断圧力は耐圧試験圧力以下の圧力とする
圧力逃し装置
・液封のおそれのある配管(銅管および外径26mm未満の配管を除く)に取り付ける
電磁弁の開閉時など、管内の流れが旧に止められた時に生じる水撃作用による圧力変動で作動することがあるので注意しなければならない
安全弁
・作動圧力とは、吹き始め圧力および吹き出し圧力のことをいう。
試験
気密試験
・空気、窒素、二酸化炭素など不燃性・非毒性のガスを使用する
・酸素のような支燃性ガスは用いてはならない
・アンモニア冷媒設備の機器では二酸化炭素を使用してはならない
→試験後に機器内に残留した二酸化炭素とアンモニアが反応して炭酸アンモニウムの粉末が生成されるから
・気密試験は耐圧試験を実施した後に行う
・気密試験で空気圧縮機を使用して圧縮空気を用いる場合、空気の温度を140℃以下とすること
真空試験
・機密の最終確認をするための試験
・微量な漏れでも判断できるが、漏れ箇所の特定はできない
・高真空を必要とするため真空ポンプを使用しなければならない
・放置時間は数時間から一昼夜近い十分に長い時間とし、5K程度の温度変化があっても0.7kPa程度の圧力変化であれば問題はない。
・真空試験に用いる真空計には、マノメータまたは真空計を用いる
耐圧試験
・圧力容器などの耐圧強度を確認するための試験
・使用できる液体:油
・通常は液圧で行うが、液体の使用が困難な場合に一定の条件を満たせば空気・窒素などの気体を用いて試験を行うことも認められている
・試験圧力は、液圧で行う場合は許容圧力の1.5倍以上、気体で行う場合は1.25倍以上の圧力で行う
・圧力容器の内径が160mm以下のもので圧縮機及びポンプに係る部分以外は「配管」であり圧力容器でないため耐圧試験を行わなくて良い。
強度試験
・圧縮機や容器など冷媒設備の配管以外の部分について、耐圧試験に代わり量産品に対して適用する試験
・試験圧力は、設計圧力の3倍以上(液体で行う耐圧試験圧力の2倍以上)
圧力容器
・「SM400A」の意味
最後のアルファベットの記号はA、B、Cの順に炭素の含有量が少なくなっており、炭素含有量が少ないほど溶接性がよくなる。数字は最小引張強さ。
・圧力容器の 許容圧力は、既に据付けられた設備の耐圧試験圧力と気密試験圧力の基準であり、安全装置の作動圧力の基準にもなる
・低圧部の設計圧力は、当該冷媒ガスの38℃の飽和圧力(非共沸騰冷媒ガスにあっては38℃の気液平衡状態の液圧力)とされている。
・高圧部の設計圧力は、基準凝縮温度によって区分されている。これは設計圧力を運転時に予想される最高圧力と考えているからである。
・圧力容器の溶接継手の効率は、溶接継手の種類および溶接部の全長に対する放射線透過試験を行った部分の長さの割合によって数値が定められている
・圧力容器の円形鏡板の隅の丸みが小さい場合には、集中応力により、隅の丸みの部分に大きな応力がかかりやすい
臨界温度
・この温度以上では気体と液体の区別がなくなって相変化が生じない温度。
臨界温度以上(超臨界域)では顕熱のみとなり、潜熱は利用できなくなる。
潤滑油・冷凍機油
・潤滑油は吐出しガス温度が100℃以下であれば劣化しない
・冷凍機油の沸点は冷媒に比べて遥かに高い
・冷凍機油は水分を吸湿しやすいので注意が必要。混合油(エーテル油)は特に注意
冷媒
・アンモニア、プロパン、二酸化炭素は自然冷媒。
R717(アンモニア)
R744(二酸化炭素)
・標準沸点は高い順にアンモニア、プロパン、二酸化炭素
・二酸化炭素は標準大気圧では固体(ドライアイス)となっている。
・GWP(地球温暖化係数)
二酸化炭素=1
R717(アンモニア)・R718(水)・R729(空気)=0
・冷媒量が不足すると、蒸発圧力が低下し、圧縮機の吸込み蒸気の過熱度が大きくなる
さらに、吐出し圧力が低下し、吐出しガス温度が上昇するので、冷凍機油が劣化するおそれがある
フルオロカーボン冷媒
・毒性は低い。大気中で空気より重いため、床面付近に滞留しやすく酸欠の危険がある
・溶解しやすい。溶解すると粘度が高くなり、冷媒側熱伝導率が低下するため、電熱を阻害する。溶解率が3%程度以下であれば問題ない。
・溶解度以上の水分が混入すると、水分が遊離して水滴となり低温条件では氷結して膨張弁を詰まらせる
・CFCおよびHCFCはオゾン層を破壊する。HFCは地球温暖化をもたらす。
・多気筒圧縮機では、圧縮機が停止して温度が低下した状態では、クランクケース内の冷凍機油に冷媒が多量に溶解していることがある。この状態で起動すると、オイルフォーミングの発生や粘度低下による潤滑不良を引き起こす。
・圧縮機停止時に、クランクケースヒーターを用いて冷凍機油を20~40℃に保持し、始動時のオイルフォーミング発生による潤滑不良を防止する
・冷凍機油、微量の水分、金属などと接触していて、温度が高くなると冷媒だけの場合よりも化学的安定性が悪くなるので、圧縮機吐出しガス温度が高くなりすぎないように運転しなければならない
アンモニア冷媒
・吐き出すガス温度は、HFC冷媒よりアンモニア冷媒のほうが高い
・毒性ガス、可燃性ガス、強い刺激臭がある、水に良く溶解する
・冷凍機油(鉱油)をあまり溶解しない
・多気筒圧縮機の吐出しガス温度は、その物性上高温になりやすく、低温用の冷凍装置では、冷凍機油(鉱油)を消耗品とみなす。劣化した冷凍機油を抜き出して新しい冷凍機油と交換する。(油戻しをしない)
冷凍機油の選定条件
・粘度が適当で油膜が強いこと。低温用には流動点が低い油を、高速回転圧縮機で軸受荷重の比較的小さいものには粘度の低い油を選定する。
冷媒ガスの限界濃度
・限界濃度とは、この濃度において失神や重大な障害を受けること無く緊急の処置をとった上で自らも避難できる程度の濃度
・冷媒設備の全冷媒充填量(kg)を 冷媒を内蔵している機器を設置した最小室内容積(m3)で除した値が、限界濃度以下であること
油
・エステル油、アルキルベンゼン油は劣化しないので自由返油を行っても良い
その他
・水垢の汚れ係数の単位は(m^2・k / kW)
ブライン
・エチレングリコール系の有機ブラインは、腐食抑制剤を加えることにより金属に対する腐食性をおさえている
配管
・外径25mm以上35mm未満の最小はまり込み深さは12mm,隙間は0.10~0.29mmとされる
冷凍装置の据付け
・機械と基礎とが共振しないように、基礎の固有振動数は機械が発する振動数より20%以上の差をつける必要がある
・防振架台で基礎上に据付けられた圧縮機は、運転開始または停止の際に大きく揺れることがあるので、圧縮機近くの配管にフレキシブルチューブを入れる
・鋼材は一般に温度が下がるにつれて引張強さ、降伏点、硬さなどは増大するが、反面、伸び、絞り率、衝撃値などは低下する。
ある温度以下の低温で伸びが小さくなって塑性変形の性質を失い、いわゆる低温脆性という脆さを示す。ある温度以下の鋼材に応力が発生し、その他の条件が揃うと破壊することがある。
流速
・凝縮器から受液機への液落とし管では液の流速を0.5m/s以下として、それ自身で均圧管の役割を持たせるか、外部均圧管を設ける
・水冷凝縮器における冷却管内の水速は、1~3m/sの範囲に設計される。速いほうが良いが、冷却管表面の乱流腐食の原因となる。
・アンモニア冷凍装置の吸込み側に設ける液分離器には、器内蒸気の流速を1m/s以下とし、液滴を重力によって容器の下部に溜まるようにする
熱用語
・二物体に温度差がない場合には伝熱現象は生じない。このとき、二物体は熱平衡の状態にあるという。
・放射エネルギーによる熱移動は放射伝熱という。太陽から地球もその一例。
・流動している流体と固体壁面との間の熱移動には、強制的な流れ場における強制対流熱伝達と、流体内の温度差による密度差から発生する流れ場における自然対流熱伝達とがある。
・蒸発器内の冷媒液が蒸発管に触れて、沸騰して気化するとともに熱が蒸発管から冷媒に伝わる場合のように、液相から気相へと相変化をともなう熱移動を沸騰熱移動という。
・水冷凝縮器の伝熱管における熱通過抵抗には、内外伝熱面における熱伝達抵抗、伝熱管壁と水垢による熱伝導抵抗とがある