消防設備士甲種1類・2類・3類に独学で合格できるお勧め参考書と勉強方法

消防設備士

米造
米造

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この記事では、2022 年(令和4年)の消防設備士 甲種1類(甲1)、甲種2類(甲2)、甲種3類(甲3)に独学で合格できるお勧めの参考書と勉強方法を、著者が独学で合格した経験を基にご紹介します。

甲種1類 ~3類は受験資格、受験科目、科目免除などの要件が全て同じですので、この記事でまとめてご紹介します。

消防設備士 全類取得済みの免状
消防設備士 全類取得済みの免状

甲種1類 ~3類だけではなく全類の取得を目指す方は「消防設備士 全類を約1年で取得できる受験の順番と科目免除の戦略」の記事も是非ご覧ください。

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消防設備士 甲種1類、甲種2類、甲種3類の試験概要

まずは甲種1類 ~3類受験資格科目免除などの試験概要を紹介します。

消防試験研究センターの試験案内から甲種1類 ~3類の部分だけを分かりやすくまとめたものですが、概要はいいから試験対策について知りたいという方は読み飛ばしてください。

甲種1類で取り扱える設備

屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備、共同住宅用スプリンクラー設備

米造
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消火栓スプリンクラーのような聞いたことがある設備ばかりでとっつきやすそう

甲種2類で取り扱える設備

泡消火設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備、特定駐車場用泡消火設備

米造
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泡…?パッケージ?駐車場…?聞いたこと無い設備ばかりだなぁ

甲種3類で取り扱える設備

不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備

米造
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不活性ガス?ハロゲン?なんか怖そう。パッケージ型って甲種1類甲種2類でも出てきたけど何か違いがあるの?

パッケージ型消火設備とは?

甲種1類 ~3類共通で扱える「パッケージ型消火設備」は、類による違いはなく全て同じものです。

パッケージ型消火設備とは、屋内消火栓やスプリンクラーを設置しなくてはならない建築物が条件を満たす場合に代替設置できるものです。

大規模な工事が必要で設置コストが高い消火栓設備やスプリンクラーに対して、パッケージ型消火設備はコストを抑えて設置することができるため、小規模施設に設置されることが多いです。

また、増築などで延べ面積が増えたことで、既設の消火栓設備やスプリンクラー設備だけでは未警戒区域ができてしまう場合に、その区域を補うコストを抑えるためにパッケージ型消火設備を設置することがあります。

消火栓設備やスプリンクラー設備のような専門的な設備は甲種1類でなければ扱えませんが、パッケージ型消火設備のような簡易設備であれば、同じ水系を専門とする甲種2類甲種3類なら扱って良いということなのでしょう。

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甲種1類、甲種2類、甲種3類の受験資格

甲種1類 ~3類は誰でも受験できるわけではなく、規定の受験資格を満たす必要があります。

受験資格は学歴、実務経験、所有資格などに関する事項が複数規定されており、どれか1つに該当すれば受験することができます。

受験者のほとんどが所有資格によって受験資格を満たしていると思われますので、ここでは受験資格に該当する所有資格を紹介します。

学歴、実務経験等による受験資格は消防試験研究センターの試験案内で確認してください。

消防設備士 甲種1類、甲種2類、甲種3類の受験資格となる所有資格
米造
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まだどの資格も持っていないという人には、第二種電気工事士陸上特殊無線技士の資格が比較的簡単に取れるのでオススメです。

甲種1類、甲種2類、甲種3類の試験科目

【筆記】試験時間:2時間 15 分

  • 法令 (共通8問、類別7問)
  • 基礎的知識 (機械6問、電気4問)
  • 構造・機能及び工事・整備 (機械 10 問、電気6問、規格4問)

【実技】試験時間:1時間 00 分

  • 鑑別等5問
  • 製図2問

【備考】

  • 筆記試験と実技試験は同時間内に行います。
  • 試験科目の一部免除を受ける方の試験時間は、短縮されます。
  • 実技の科目は、電気工事士のように工具・器具を用いるものとは異なり、問題を読んで解答する筆記形式 (ペーパー試験)で行われます。

甲種1類、甲種2類、甲種3類の一部科目免除

甲種1類 ~ 3類の科目免除が受けられる資格と、免除される内容は以下の通りです。

※技術士による免除は記載していません。

他の消防設備士 甲種1類 ~ 3類 のいずれかを取得している場合

  • 「法令」の共通部分 (8問)が免除
  • 「基礎的知識」の10 問が全て免除
米造
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甲種1類、甲種2類、甲種3類は全て「ポンプなどを使用する水系」に分類されるので、どれか1つを持っていれば「基礎的知識」も免除されるのです。

消防設備士 甲種4類または甲種5類 の免状を受けている場合

  • 「法令」の共通部分(8問)が免除

電気工事士免状 または 電気主任技術者免状 を取得している場合

  • 「基礎的知識」の「電気」に関する部分 (4問)が免除
  • 「構造・機能及び整備」の「電気」に関する部分 (6問)が免除

甲種1類、甲種2類、甲種3類の合格基準

  • 筆記試験 … 3科目それぞれの正答率 40% 以上で、かつ、全体の出題数(解かなければいけない問題数)の正答率 60% 以上
  • 実技試験 … 全体の正答率 60% 以上
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消防設備士 甲種1,2,3類のお勧めの参考書

甲種1類 ~ 3類に独学で合格できるお勧めの参考書をご紹介します。

消防設備士の参考書は、消防法が頻繁に改正される関係で、よく新板が出版されます。

そのため、ここでは私が使用したものと全く同じではなく、同じ参考書の新板や同じ出版社の他のシリーズなどを紹介している場合があります。

甲種1類 ~ 3類 全てに役立つ参考書

〈6訂版〉消防設備アタック講座〈上・下巻〉

上下巻からなる大ボリュームで、図入りでかなり詳しく解説されており、消防設備士の資格をこれから全部揃えようという方は絶対に準備することをオススメします!

もちろん私が甲種特類を含む全類を取得した際にも非常に役立ってくれました。

乙種と甲種の全類において、この書籍で勉強した内容が実技試験に出題されて助かった!という経験をしているだけに、私の周りで消防設備士を受験する人には必ず勧める書籍です。

消防設備士受験のための参考書ではないため、いわゆる問題集のような1問1答+解説形式にはなっていないのですが、教科書として非常に優秀です!

記事執筆時点では Amazon では品切れとなっていますが、Yahoo!ショッピングでは在庫があるようですのでお早めに。

追記:現在 Amazon で在庫復活中ですが、既に在庫が数点となっています。入荷予定はあるようですが、頻繁に品切れになりますので、購入はお早めに。

甲種1類 に合格するための参考書

消防設備士 1類 超速マスター 第2版

この「超速マスター」シリーズは、甲種1類だけでなく他類でも出版されているのですが、軒並み非常に評価が高く、「この1冊で合格できた」というレビューの多い優秀な参考書です。

テキスト & 問題集一体型なので、この1冊でインプットとアウトプットが可能です。各節ごとに問題も掲載しているので、合格に必要な実力が身につきます。

本試験によく出る!第1類消防設備士問題集

2017 年に出版されたばかりの参考書です。前述した通り、消防法は頻繁に改正されるため、できるだけ新しい参考書を使わなければなりません。

また、この問題集は最新の出題傾向を研究して書かれているため、まさに消防設備士の攻略本と言えるでしょう!

Amazon レビューに、本書に関する気になる記述がありましたので紹介しておきます。

参考書と共に使用するととてもいい 2018 年 4 月 15 日

今回、「消防設備士1類 超速マスター」との併用で、甲1種を受け1回で合格できました。今回の試験を振り返った場合筆記試験の部分では、この本だけでは合格で来なかったように思われますし、基礎知識の部分も、この本に載っていない部分がでました。今回、実技試験は「消防設備士 1 超速マスター」からかなり出ました。

本書と、さきほど紹介した「消防設備士1類 超速マスター」との併用で合格したとのことです。要チェックですね!

甲種2類 に合格するための参考書

消防設備士 甲種2類は受験者が少ないこともあり、新しい参考書がなかなか出版されません。

私が受験した5年前に使用した参考書がいまだ現役という状態ですので、とにかく定番の参考書を数冊準備して数多くの問題に取り組みましょう。私は3冊の参考書を準備しました。

参考書1,2冊ではおそらく実技試験が運任せという状態になりますので、必ず3冊やり込みましょう。

徹底研究2類 消防設備士

私が合格したときに使用した参考書です。

筆記試験はこの1冊だけでも合格できるかもしれませんが、実技試験の内容が圧倒的に足りません。

まずはこの1冊を何周かやり込み、早めに2冊目の参考書に取りかかりましょう。

2類消防設備士 筆記×実技の突破研究 (改訂2版)

私が合格したときに2冊目として使用した「筆記×実技の突破研究」シリーズの改訂版です。

筆記試験の問題の解説が「法令~条による」といった記載しかなく不親切なので1冊目の参考書としては不向きですが、2冊目の問題集としては使えるでしょう。

なにより、実技試験の問題を数多く解くためには避けて通れない参考書です。

ラクラクわかる! 2類 消防設備士 集中ゼミ

この「ラクラクわかる!」シリーズは最近出版された参考書で、甲種2類以外でも出版されており評価も上々です。

この参考書を最初の1冊として、他の2冊で実技試験の経験値を稼ぐという流れも良いでしょう!

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甲種3類 に合格するための参考書

甲種3類も甲種2類と同様に参考書の選択肢が少ない状況です。

ラクラクわかる! 3類消防設備士集中ゼミ

甲種2類のお勧め参考書の項でも紹介した「ラクラクわかる!集中ゼミ」シリーズの甲種3類版です。

この1冊で合格したというレビューも見られますが鵜呑みにせず、この1冊を終えたら2冊目にとりかかりましょう。

2016年10月9日 これで勉強して合格間違いなし
2 ヶ月前に開始すれば、間に合いました。おかげで1発合格できましたありがとう。
2017年9月28日 無事合格
先日、合格しました。
この1冊を5~6回繰り返せば、満点は無理ですが、合格は出来ます。
筆記:82 %、実技:87 %でした。
ただ、法令の記述が薄いので、星4つとしてます。

Amazon レビュー より

2冊目として使用する参考書は、次に紹介する本書籍のシリーズ本がお勧めです。

ラクラク解ける ! 3類 消防設備士 合格問題集

上記で紹介した「ラクラクわかる! 3類消防設備士集中ゼミ」のシリーズ本の問題集です。

「ラクラクわかる! 3類消防設備士集中ゼミ」だけでは不足する演習量をこの問題集で補い、合格に向けて実力の底上げにつなげましょう!

消防設備士 甲種1類、甲種2類、甲種3類に合格できる勉強方法

筆記試験は 法令 80%、その他2科目 50% の正答率で合格できる

筆記試験の計算問題は中学~高校1年レベルで、出題のバリエーションも多くないので、何冊かの参考書に出題される内容をしっかり解けるようにしておけば正答できるでしょう。

基本的に法令や設置基準など暗記メインの勉強となりますが、あまり覚えることは多くないため、法令で 80% 以上の高得点を狙い、他の科目は 60% 以上の正答率を目指せば、筆記試験は短期間で合格レベルに達することができます。

ちなみに、消防設備士の筆記試験には受験者にとって有利な措置がありますので、法令で 80%取れていた場合、他の2科目がそれぞれ 50%しか取れていなくても筆記試験には合格できます。

実技試験もベースは筆記試験の知識

「実技試験」というと身構えてしまう方が多いかもしれませんが、基本的には筆記試験で学んだ知識をベースに問題を解く形になりますので、筆記試験を高得点でパスできるレベルまで知識を詰め込んでおくことが、実技試験の合格への近道です。

鑑別の中には写真を見て名称を答えるような問題も出題され、そういう問題はさすがに知らなければ解けませんが、全体を見ると筆記試験の知識が十分にあれば解ける問題が多いです。

製図も練習をする前はなんとなく難しいイメージがあるかもしれませんが、しっかり練習を積めばむしろ得点源となりますので、参考書を何冊か用意して複数のパターンのしっかりマスターしておきましょう。

科目免除は受けないほうが有利になるケースもある

他類の消防設備士免状による「共通部分」の免除や、電気工事士などの資格による「電気に関する問題」の免除は受けないほうが有利になるケースがあります。

消防設備士の科目免除については、「消防設備士 全類を約1年で取得できる受験の順番と科目免除の戦略」の記事に詳しく書いていますのでご覧ください。

この他の勉強方法は?

消防設備士 甲種1類 ~3類のように暗記がメインの資格試験では、綺麗にノートをまとめたり、覚えたい内容をだらだらとノートに書くことは効率の悪い勉強方法です。

  • 綺麗にノートをまとめるのは時間の無駄
  • 音読こそ最強の暗記方法

具体的には以下の記事にまとめていますのでご覧ください。

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まとめ

筆記試験には「合格率と難易度」の項に書いたとおり「合格させるための措置」がありますので、きちんと対策すれば落ちることはないでしょう。

実技試験の製図は、いくつかある出題パターンにしっかり対応できるように、複数の参考書を使って練習しておく必要があります。

初期出費を惜しんで不合格になってしまっては、最終的には参考書を買い足す、何度も受験地まで行くなど、時間もお金も余分にかけてしまうことになります。

これから受験される方においては、後悔が残らないようしっかり準備をしていただき、無事合格できることを祈っています。