消防設備士甲種特類に独学で一発合格できるお勧め参考書と勉強方法

消防設備士

米造
米造

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この記事では、2022 年(令和4年)の消防設備士 甲種特類に独学で一発合格を目指す方にお勧めの参考書と勉強方法のほか、科目ごとの出題傾向などの気になる情報を、著者が独学で合格した経験を基にご紹介します。

消防設備士 全類取得済みの免状
消防設備士 全類取得済みの免状

甲種特類の資格で扱う特殊消防用設備についての概要と、設備管理業界や就職・転職市場での甲種特類の需要などについては「消防設備士甲種特類の需要と特殊消防用設備の概要を全類持ちが解説」の記事にまとめています。

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消防設備士 甲種特類の試験概要

甲種特類の受験資格

甲種特類を受験するには、以下に示す3種類以上の消防設備士免状の交付を受けている必要があります。

  • 甲種第1類から第3類までのいずれか1つ
  • 甲種第4類
  • 甲種第5類
米造
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甲種1類~5類全ての免状が必要だと思われがちですが、1類から3類に限ってはいずれか1種類以上持っていれば受験できます。

甲種特類の試験科目

甲種特類では、以下の筆記3科目が出題されます。実技試験はありません。

  • 消防関係法令
  • 構造・機能及び工事・整備
  • 火災及び防火に関する知識
米造
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問題数はそれぞれ 15 問ずつで合計 45 問、試験時間は2時間 45 分です。

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消防設備士 甲種特類のお勧め参考書

まずは私が甲種特類の試験に合格した際に使用した参考書をご紹介します。

甲種特類消防設備士 特選問題集

私が受験した当時は新しい参考書だったのですが、2023 年現在では古い参考書になってしまいました。

しかしながら、甲種特類の問題に慣れるためには絶対に解いておきたい参考書です。

甲種特類の出題傾向を徹底的に分析し、出題される可能性の高い問題だけを厳選して掲載されているので、繰り返し解いて理解を深めることで合格できる知識が身につきます。

はじめて学ぶ建物と火災

甲種特類の「火災及び防火に関する知識」科目の対策のために使用しました。

消防隊の侵入経路フラッシュオーバー煙について延焼速度のほか、「火災及び防火に関する知識」に出題される可能性のある幅広い分野について学べます。

甲種特類の試験対策のためにまとめられた書籍ではないため、必要な部分と不要な部分を自分で取捨選択しながら勉強を進める必要がある点に注意が必要です。

〈6訂版〉消防設備アタック講座〈上・下巻〉

上下巻からなる大ボリュームで、図入りでかなり詳しく解説されており、消防設備士の資格をこれから全部揃えようという方は絶対に準備することをオススメします!

もちろん私が甲種特類を含む全類を取得した際にも非常に役立ってくれました。

乙種と甲種の全類において、この書籍で勉強した内容が実技試験に出題されて助かった!という経験をしているだけに、私の周りで消防設備士を受験する人には必ず勧める書籍です。

消防設備士受験のための参考書ではないため、いわゆる問題集のような1問1答+解説形式にはなっていないのですが、教科書として非常に優秀です!

記事執筆時点では Amazon では品切れとなっていますが、Yahoo!ショッピングでは在庫があるようですのでお早めに。

追記:現在 Amazon で在庫復活中ですが、既に在庫が数点となっています。入荷予定はあるようですが、頻繁に品切れになりますので、購入はお早めに。

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消防設備士 甲種特類の勉強方法

とにかく1類~5類の知識が重要

甲種特類の試験には、消防設備士1類 ~5類に関する知識が数問ずつ出題されます。

危険物取扱者の甲種のように乙種全類の取扱範囲を包含するような性質の資格ならともかく、消防設備士の甲種特類は取得しても1類 ~5類の設備は取り扱えないのに不思議ですよね。

甲種特類の受験資格は上述した通り特定の甲種3種類を持っていれば与えられるのですが、消防試験研究センターとしては、1類 ~5類全ての知識を持ったエキスパートが特殊消防用設備を取り扱うことを想定しているのかもしれません。

出題される全 45 問のうち、半分以上は1類 ~5類の知識で解ける問題ですので、極端な話、特類の試験対策をしなくても1類 ~5類の知識が完璧ならば合格できる可能性があります。

甲種の受験者の方はご存知だと思いますが、消防設備士の筆記試験の合格基準は非常に甘い(※)ので、それを利用して得意分野で得点を積み重ねるという戦略を取ると良いでしょう。

※合格基準は「3科目の得点の平均が 60点 以上かつ 40 点未満の科目が無いこと」。つまり、40 点しか取れない科目があっても他の2科目でそれぞれ 70 点取れば平均 60 点になるので合格できます。

では、具体的に各科目がどのような構成になっているのかを紹介します。

消防関係法令

米造
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法令は全 15 問出題されます。内訳は毎回若干違いますが、おおよそ以下の通りです。

  • 共通部分から合計7~ 10 問程度
  • 1類 ~5類から1問ずつ合計5問程度
  • 特類 (特殊消防用設備) から1~3問程度

共通部分の問題というのは、例を挙げると以下のような問題で、どの類にでも出題される問題のことです。

問1:消防法令上、防火対象物点検資格者に火災の予防上必要な事項を点検させなければならない防火対象物は、次のアからエのうちいくつあるか。
ただし、避難階は1階とし、階段はすべて避難階に直通するものとする。
 屋内階段が2である地階を除く階数が4の事務所で、収容人員が500人のもの
 屋内階段が1である地階を除く階数が2の複合用途防火対象物(地下1階が飲食店、1階と2階が展示場)で、収容人員が50人のもの
 屋内階段が2である地階を除く階数が3のホテルで、収容人員が100人のもの
 屋内階段が1である地階を除く階数が2の複合用途防火対象物(1階が遊技場、2階が物品販売店舗)で、収容人員が150人のもの

1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ

問2:消防用設備等の技術上の基準に関する政令若しくはこれに基づく命令の規定が改正されたとき、改正後の規定に適合させなくてもよい消防用設備等として、消防法令上、正しいものは次のうちどれか。

1 映画館に設置されている消火器
2 図書館に設置されている避難器具
3 小学校に設置されている簡易消火用具
4 銀行に設置されている自動火災報知設備

ちなみに答えは 問1は1 , 問2は4です。

煽るひと
煽るひと

甲種特類を受験しようという人ならこれくらい余裕で正答できますよね?
共通問題を落とすようでは話になりませんよ!

特類(特殊消防用設備)に関する問題は、次のような問題が出題されます。

問:特殊消防用設備等及びその性能評価に関する手続等として、消防法令上、正しいものは次のうちいくつあるか。
 特殊消防用設備等の認定を受けようとする者は、日本消防検定協会又は法人であって総務大臣の登録を受けたものが行う性能評価を受けなければならない。
 特殊消防用設備等の性能評価を受けた者は、評価の基準に従い、設備等設置維持計画を作成しなければならない。
 特殊消防用設備等は、通常用いる消防用設備等と同等以上の性能を有するものとして、消防長又は消防署長が認定したものをいう。
 日本消防検定協会又は総務大臣の登録を受けた法人は、申請に係る性能評価を行った場合、その性能評価の結果を総務大臣に通知しなければならない。

1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 すべて正しい

答えは1です

甲種特類を受験する方は、最低でもこの問題のどこか誤っているのか指摘できる程度には勉強しましょう!

法令の1類 ~5類に関する部分は今までに使った参考書を使用して復習を行い、特類(特殊消防用設備)に関する部分は新しく特類用の参考書を準備して対策しましょう。

甲種特類の3科目のうち間違いなく一番難しい火災及び防火に関する知識」の正答率が 60 % 未満となってしまった時のためにも、法令は最低でも 70 % は正答しておきたいところです。

構造・機能及び工事・整備

米造
米造

構造・機能及び工事・整備」は全 15 問出題されます。内訳は1類~5類の範囲からおおよそ各3問ずつです。

特殊消防用設備は、設備ごとに他にはない構造や機能を有している上に、設置については現場ごとに検査・認定されるため設置基準というものが存在しません。

そのため試験問題として出題することが難しいのか、既存の1類 ~5類の範囲から出題されます。

この科目は甲種1類 ~5類の受験に使った参考書を使用して復習を行い、正答率 80 % 以上を目指しましょう。

火災及び防火に関する知識

消防設備士という資格のラスボスです。

甲種1類 ~5類の各科目は正答率 80 % 以上も比較的簡単に取れますが、この科目だけは非常に対策しづらく、高得点を取ることが難しいです。

甲種特類を受験して落ちている人のほとんどが、この科目の正答率の低さが原因で落ちているのではないでしょうか。

火災及び防火に関する知識」は全 15 問で、以下の内容が出題されます。

  • 煙突、燃焼、煙に関すること、避難方法、区画、排煙設備、進入開口、消防活動拠点、火災、防火、消火活動など、消防活動に関する幅広い分野から 15 問

結局なにが出題されるんだって感じですよね。

私が受験した際には、火災現場の中性帯についてフラッシュオーバーについて火災が起こった際に避難する人の心理…?のような、実際に火災現場で活動する消防隊の方が知っておくべき知識のような出題が多かった印象が残っています。

火災及び防火に関する知識」について体系的に学べる書籍は出版されていないので、甲種特類の参考書で学ぶことはもちろんですが、建築・火災などについて書かれた「はじめて学ぶ建物と火災」のような書籍から試験に出題されそうな内容を学ぶことが必要です。

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まとめ

法令」と「構造・機能及び工事・整備」は甲種1類~5類の内容をしっかり理解していれば 70 % 以上は正答できるはずです。

火災及び防火に関する知識」に関しては、上記で紹介したオーム社の参考書を読んで出題傾向を学び、さらに「はじめて学ぶ建物と火災」のような書籍を用いて知識を身につけていく勉強方法が良いでしょう。

しかし、「法令」と「構造・機能及び工事・整備」が 70% 以上正答できていれば「火災及び防火に関する知識」は正答率 40 % でも合格できますので、やはり1類 ~5類の内容をしっかり復習することが甲種特類合格への近道です。

米造
米造

甲種特類持ちの仲間が増えることを祈っています。