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この記事では、2022 年(令和4年)現在の冷凍機械責任者試験 (冷凍3種、冷凍2種) の難易度と合格率の推移、試験の科目免除を受けられる講習の受講の必要性について、第二種冷凍機械責任者試験に独学で合格した著者の経験を基にご紹介しています。
冷凍機械責任者試験 (冷凍3種、冷凍2種) に独学で合格できるお勧めの参考書と勉強方法については「冷凍機械責任者試験に独学で合格できる参考書と勉強方法」の記事でご紹介していますので併せてご覧ください。
冷凍機械責任者試験の合格率の推移
第二種冷凍機械責任者の合格率
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成21年度 | 4,268 | 1,671 | 39.2% |
平成22年度 | 3,924 | 1,343 | 34.2% |
平成23年度 | 4,163 | 606 | 14.6% |
平成24年度 | 4,092 | 1,367 | 33.4% |
平成25年度 | 3,772 | 1,178 | 31.2% |
平成26年度 | 3,602 | 596 | 16.5% |
平成27年度 | 3,466 | 475 | 13.7% |
平成28年度 | 3,014 | 910 | 30.2% |
平成29年度 | 2,823 | 846 | 30.0% |
平成30年度 | 2,749 | 907 | 33.0% |
令和元年度 | 2,512 | 785 | 31.3% |
令和2年度 | 2,051 | 551 | 26.9% |
ほとんどの年は合格率 30% 以上で推移していますが、たまに 10% 台に落ち込む年があるなど、実施される年によって試験の合格率が大きく変動しています。
ここ5年ほどは合格率 30% 前後で安定しており、難易度は「普通~易しい」レベルでしょう。
第三種冷凍機械責任者の合格率
年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
平成21年度 | 7,907 | 2,597 | 32.8% |
平成22年度 | 8,209 | 3,899 | 47.5% |
平成23年度 | 7,878 | 3,219 | 40.9% |
平成24年度 | 8,160 | 2,675 | 32.8% |
平成25年度 | 8,839 | 3,023 | 34.2% |
平成26年度 | 9,022 | 1,714 | 19.0% |
平成27年度 | 9,801 | 2,534 | 25.9% |
平成28年度 | 8,913 | 3,106 | 34.8% |
平成29年度 | 8,120 | 3,007 | 37.0% |
平成30年度 | 7,768 | 3,090 | 39.8% |
令和元年度 | 7,908 | 2,565 | 32.4% |
令和2年度 | 7,541 | 1,383 | 18.3% |
第二種とほぼ同じ傾向で、ほとんどの年で合格率 30% 以上で推移しており、40 % に迫る年もある一方、たまに 10% 台後半に落ち込む年があるなど、実施される年によって試験の合格率が大きく変動しています。難易度は「普通~易しい」レベルでしょう。
冷凍機械責任者試験の難易度
冷凍機械責任者試験は難しい?難化した?
「冷凍機械責任者 難易度」や「冷凍3種 難易度」「冷凍2種 難易度」などと検索して表示される資格ブログの中には、ここ数年「試験が難化して過去問対策では合格できなくなった」などと書かれていることがありますが、本当にそうなのでしょうか?
結論から言うと、冷凍機械責任者試験は難化していないと考えています。
合格率が 10 %台になる年があり、一見難しそうに見える冷凍機械責任者試験ですが、試験内容の実質的な難易度はそれほど高くありません。
具体的に言うと、冷凍機械責任者試験は合格する上で覚えなければいけないことは多くありません。冷凍機の種類や原理もシンプルですし、計算問題は非常に簡単なので、決して内容が難しい試験ではないのです。
それにも関わらず、合格率が 10 %台になる理由を次のように推測しています。
- 過去問を丸暗記した受験者がひっかけ問題に引っかかっている
- 高圧ガス保安協会が使う理解し辛い日本語の意味を読み違えた
- 保安と学識は全 10 問しか出題されないため、1問の重みが非常に重い
このように「受験者を落とす試験」という言葉がピッタリな冷凍機械責任者試験にまんまと落とされている人が多いのです。
合格率が 30 %を超えている年は素直な問題が出題され、”難化した” と言われる合格率 10 %台の年はひっかけ問題が数多く出題されたためこのような合格率の変動が起こってしまうのです。
個人的には、純粋に知識を問うべき資格試験の問題でこういう引っ掛け箇所を作るべきではないと思います。
しかし、高圧ガス保安協会の試験問題はそういうものだと知った上で、過去問を丸暗記するのではなくしっかり理解することを意識し、ひっかけ問題を見抜けるような確かな知識を身につけておけば、それほど難しい試験ではないという意味が理解できると思います。
合格率が低い年に合格するための勉強方法・受験テクニックについては「冷凍機械責任者試験に独学で合格できる参考書と勉強方法」の記事でご紹介していますのでご興味があればご覧ください。
第二種と第三種の難易度が変わらないって本当?
結論から書くと、第二種冷凍機械責任者と第三種冷凍機械責任者の難易度の差については、出題される問題の難易度には大した差は無いものの、合格するのは当然ながら第二種の方が難しいです。
第三種冷凍機械責任者は法令・保安の2科目を受験するのに対して、第二種冷凍機械責任者は法令・保安・学識の3科目を受験・合格しなければなりません。
1科目多い分、当然合格に必要な勉強時間は長くなりますし、学識は 10 問中6問正答しなければ合格できず、前述したようなひっかけ問題が多い試験回に当たってしまうと落ちる可能性も高くなってきます。
個人的には、第二種冷凍機械責任者でも大した勉強量は必要ないので第三種を飛ばしていきなり第二種を受験しても良いと思いますが、どちらが難しいかと言われると第二種のほうが難しいのは明らかです。
冷凍機械責任者の講習の必要性
冷凍機械責任者の資格を取得するためには講習を受講したほうが良いのでしょうか。
この項では、冷凍機械責任者の講習、正式には「高圧ガス製造保安責任者講習(冷凍)」の受講の必要性についての私の考えを書きます。
講習の受講に必要なコスト(費用・時間)は、第二種冷凍機械責任者を例に上げると次のようになります。
- 講習費用 18,400 円+講習会場への移動費や宿泊費
- 3日間連続で毎日7時間拘束
これだけのコストをかけてでも2科目免除してほしいという方は受けても良いと思います。
残りは法規だけになりますから、合格するのは非常に簡単になります。
個人的な考えを言うと、第二種冷凍機械責任者くらいの難易度の試験でこんなに高い費用や長い時間を消費して科目免除を受ける必要は無いと考えています。
講習を受けるなら、最上位の第一種を受験するくらいじゃないとお金と時間が勿体無いです。
仕事にどうしても必要で取得しないと会社をクビになってしまうなどの危機的状況ならまだしも、今日では冷凍機械責任者の資格が必要な現場も少なくなっていますし、持っているからといってそれほど就職・転職活動で評価される資格でもありません。
設備管理会社で働いている方なら、資格自体は必要ない現場でも知識の証明になりますし、資格手当が貰える可能性があるので取得しておくと良いと思います。
しかし、知識の証明をしたいならなおさら科目免除目的の講習など受講せずに試験勉強をして知識を身につけた上で資格を取得すべきだと個人的には考えます。
また、冷凍機械責任者に対する資格手当は少額に設定している会社が多いので、給料アップ(資格手当)のために講習を受けて冷凍機械責任者を取得するというのは非常にコスパの悪いやり方です。
費用対効果をよく考えた上で講習を受講するかどうか判断すれば良いでしょう。
おわりに
冷凍機械責任者試験は過去問を丸暗記せずにきちんと対策すればひっかけ問題の多い年にあたっても必ず合格できます。
2022 年度の冷凍機械責任者試験 (冷凍3種、冷凍2種) に独学で合格できるお勧めの参考書と勉強方法については「冷凍機械責任者試験に独学で合格できる参考書と勉強方法」の記事でご紹介していますので併せてご覧ください。