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海上無線通信士試験の受験者の方で、電気通信術 (直接印刷電信・電話) の試験がどのように実施されるのか気になっている方は多いのではないでしょうか。
私自身も無線従事者国家試験の電気通信術の科目については知らないことが多く、試験当日まで不安でした。
この記事では、そんな私が第一級海上無線通信士試験 (一海通) を受験して合格した経験を基に、海上無線通信士試験の電気通信術 (直接印刷電信・電話) の試験の流れ・実施方法を紹介しています。
電気通信術の試験がどのような方法で実施されるのかを知っていれば、事前にその状況を想定した練習ができるため、試験本番で焦ってミスをする可能性を減らすことが可能です。
なお、本記事は海上無線通信士試験に合格した経験を基に書いていますが、航空無線通信士試験にも電気通信術 (電話) の試験があり、内容は海上無線通信士と同じですので参考にしていただけると思います。
※航空無線通信士試験には、本記事で紹介している電気通信術 (直接印刷電信) の試験はありません。
電気通信術 (直接印刷電信・電話) の試験の流れ
電気通信術は試験2日目の英語の試験に続いて実施されます。
※ 受験人数が多い場合などは別日に実施されることもあります。
試験の流れは少し変わっていて、次のような流れになります。
- 電話 (フォネティックコード) の受話
- 直接印刷電信
- 電話 (フォネティックコード) の送話
電話か直接印刷電信のどちらか一方の試験を終えてから残った方の試験、という流れではなく、電話の受話の実施後に直接印刷電信の試験を実施し、終わった人から電話の送話を実施します。
それでは、それぞれの試験の実施方法を詳しく見ていきましょう!
電気通信術 (電話) の受話
英語の試験終了後に電気通信術 (電話) の受話の試験が行われます。受験者全員が一斉に受験します。
実施方法は英語のリスニングの試験と同様で、テープから流れる音声を聴いて解答用紙に答えを書く形式です。
試験は2分間行われ、1分あたり 50 文字のスピードでフォネティックコードが読み上げられます。
例えば、テープの音声が 「Bravo India Romeo Uniform Mike Echo November …」だったら、解答用紙に B I R U M E N と記入していきます。
1行あたり5文字 ×4列 = 20 文字を書けば、2分間の試験終了時には5行 (100 文字) が綺麗に埋まる計算になります。
電気通信術(電話)の採点基準や合格点については後述します。
直接印刷電信
直接印刷電信… ってなにやら難しそうな響きですが、ヒトコトで言うとタイピングの試験です。
使用するのは普通のノートパソコンです。メーカーや型番は忘れました。
電話 (受話) の試験終了後に一人ずつ呼ばれるので荷物を全て持って移動します。
呼ばれる順番は 一海通の受験者 → 二海通の受験者 → 三海通の受験者 という順番で、それぞれの級の受験番号の若い人から呼ばれます。
試験は、1つの長机に試験官と受験者が隣り合わせに座り、1対1で監督される形で実施されます。
試験本番前に入力の練習をする機会を与えられ、なにか質問があれば試験官に尋ねることができます。問題がなければ本番に移ります。
本番は、試験官に渡された問題用紙に記載されている文章をキーボードで打ち込む形で実施されます。
正しく入力出来ていれば入力した文字が画面に表示されていきます。入力を誤ると音が鳴り先に進みません。スペースや改行、記号など、全て問題用紙の記載通りに入力していく必要があります。
開始から5分が経過するか、記載された文章 (250 文字) 全てを入力したら試験終了です。
5分間で 200 文字以上入力できれば合格ですので「キーボード入力がめちゃくちゃ苦手」という方以外は全く練習しなくても合格できるでしょう。
ちなみに、誤入力の回数などは採点に影響しません。あくまで、5分間で 200 文字入力出来たかどうかが合否の判断基準になります。
電気通信術 (電話) の送話
直接印刷電信の試験が終わった人から、荷物を全て持って別室に移動します。
これは試験会場によると思いますが、私が受験した会場では同じ部屋で同時に2人が電話(送話)の試験を受験できるようになっていました。
※ 東京都晴海の日本無線協会本部ではもっと多くの人が同時に受験できるらしいです。
先に部屋に入って緊張した面持ちで試験を受けている方の姿が見えるので、こちらまで緊張してきてしまいます笑
直接印刷電信の時とは違い、机を挟んで試験官と向かい合う形で椅子に座ります。
本番前に試験官からなにか説明があったような気もしますが、緊張していたのかあまり覚えていません笑
とにかく問題用紙を手渡され、「始めてください」などの合図で試験開始です。
電話(送話)の試験は、開始時に必ず「始めます」「本文」の語を前置してから試験問題の本文を読み上げ、終了時には「おわり」の語を発声するという手続き(ルール)が定められています。
私はあらかじめ色々と調べて試験に臨んだのでこの手続きが必要であることを把握していたのですが、試験本番で試験官からこの手続きについての説明があるかは不明です。私の記憶の限りでは、説明は無かったです。
問題用紙の本文には1行あたり 20 文字のアルファベットが5行、合計 100 文字記載されています。
試験時間は2分間です。
もし最後まで読み上げることができなくても採点はされますが、読めなかった文字(未送信と言います)2文字ごとに1点が減点されます。採点基準や合格点についてはこのあとご紹介します。
2分間に 100 文字というペースはそんなに急いで発声する必要は無いので、5文字発声したら短く一呼吸置くくらいのテンポで焦らず確実に発声していけば良いです。焦って間違えたり文字を飛ばしたりすると減点が大きいです。
「おわり」まで発声したら「はい、結構ですよ」という風なことを言われるので、問題用紙を返して一言お礼を言って部屋を出れば試験終了です。
電気通信術(電話)の合格点・採点基準は?
送話・受話ともに、持ち点 100 点満点からの減点法により採点されます。
合格点は 80 点以上です。
誤字・脱字などのミスがあった場合、次の表の内容に従って減点されます。
「品位」以外は書いてある通りで、ミスがあれば減点されます。
「品位」の項目は、受験者の身なりや態度などの話かな?と思ってしまいますが、そうではありません。
「品位」とは、「品位」以外の項目に該当しないけれど減点の対象とすべき対象・行動のことをいいます。
通常は、通信を行う上での手続きや品質について問題が合った場合に減点されると考えておくと良いでしょう。
たとえば、電話(送話)の試験中に言葉に詰まって「え~っと」などと不要な発言をしたり、無言が続いたりした場合は「品位」が減点される可能性があります。
また、電話(送話)の「始めます」「本文」「終わり」や「訂正」などの手続きを忘れてしまった場合にも「品位」が減点される可能性があります。
電気通信術(電話)の練習方法は?
「無線従事者試験の電気通信術・電話(フォネティックコード)の練習方法」の記事で Windows のソフトウェアを使った電気通信術(電話)の練習方法を紹介していますのでよろしければ参考にしてください。