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この記事では、2022 年(令和4年)の CCNA (200-301) に合格するためのお勧めの参考書と勉強方法を、非エンジニアの著者が独学で合格した経験を基にご紹介します。
テストセンターでの受験の流れ・必要な持ちものなどの体験談のほか、合格後に認定証を発行してもらうために必要な手続きの概要と認定証到着までの日数などは「CCNA(200-301) 合格体験記-受験の流れ、認定証の申請から到着まで」でご紹介していますので合わせてご覧ください。
新CCNA (200-301) 対応の参考書
新試験 (200-301) に対応した日本語の参考書として最も早く出版されたのがこの「完全合格テキスト」です。
Amazon のカテゴリ「CCNA・CCNP・CCIE 関連書籍」でもベストセラーを獲得しており、「この参考書で合格できた」と評価の高いお勧めの参考書です。
冒頭に記した通り、CCNA (200-301) は 2020年2月24日に新試験に移行したばかりで、記事執筆時点 (2020 年6月) で日本語の参考書は上記の「完全合格テキスト」以外に選択肢が無い状態です。
CCNA や LPIC などのベンダ資格の参考書として名高い「黒本」の新試験対応版もじきに出版されるでしょうけれど、今すぐ CCNA (200-301) を受験したい方は上記の参考書を使用しましょう。
【追記】IT関係のベンダ資格の参考書として評価の高い、通称「黒本」が出版されました。
先にご紹介した「完全合格テキスト」と「黒本」の両方を使用する必要は無いと思います。
両方とも Amazon で「試し読み」が可能ですので、目次や本文の構成を読んでみて、どちらかをお好みで使用されると良いでしょう。
ちなみに、私が勉強を進めていた 2020年5月の時点では新試験対応の日本語の参考書は出版されていなかったため、旧試験向けの参考書を使用するしかありませんでした。
それでもなんとか合格することができましたが、新試験対応の参考書が出版されているいま、古い参考書を使用するメリットはほぼ無いと思います。
強いて言うなら参考書が投げ売り価格で手に入るという点がメリットです。私は上記の参考書をネットで 400円 で手に入れました。
CCNA対策にお勧めの講座
Udemy というサービスをご存知でしょうか。Udemy (ユーデミー) は、実践経験のあるエキスパート陣の講師からオンラインで技術や知識を学ぶことができる世界最大級の動画学習プラットフォームです。
Udemy では書籍やWEB検索では学び辛い実践的な講座が提供されており、私も試しに一度受講して以来ハマってしまい、プログラミング、情報セキュリティ、サーバ構築・運用などの分野の講座をいくつも受講しています。
そんな Udemy の講座の中から、CCNA の対策にお勧めの講座をご紹介します。
参考書を読むより動画で学習したいという方は受講を検討してみてはいかがでしょうか。
【Udemy の講座を購入する際の注意点】
Udemy は頻繁に割引セールを実施しています。セール対象の講座は 2,000 円未満の価格で購入できますので、講座の購入をお考えの方はセールの実施を待つことをお勧めします。
新CCNA (200-301) の勉強方法
ここからは、私が CCNA (200-301) に合格するために実施した勉強の流れをご紹介します。
勉強開始時の予備知識
勉強開始時点での私の予備知識と勉強方針などの背景を説明しておきます。
- IT関係の実務は未経験
- 趣味でネットワークや情報セキュリティの勉強をしている
- ネットワークスペシャリスト試験 合格
- 情報処理安全確保支援士試験 合格
この程度のネットワークに関する予備知識があったため、基本的なプロトコルや技術、初学者が苦戦するサブネットマスク絡みの勉強は不要だったというアドバンテージがありました。
「それなら合格できて当然じゃない?そんな人の勉強方法が参考になるの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
CCNA の受験を通して学ぶことの本質は、シスコ独自の技術やプロトコルを理解し、シスコ機器にコマンドを投入することで設定を行いネットワークを構成できるようになることにあります。
この観点でいうと、私自身もシスコ独自の技術等については何も知らないところからのスタートでしたので、ネットワーク初心者の方と同じことを学ぶ必要がありました。
したがって、これからご紹介する勉強方法はネットワーク初心者の方でも同じように進めることが可能です。
勉強の流れ
勉強方針ですが、次のような流れで勉強を進めることにしました。
- ステップ1まずは参考書でシスコのコマンドや独自プロトコルについてざっと学ぶ
- ステップ2GNS3 というエミュレータを使い、仮想環境で機器の接続やコマンドの投入等の練習を行う
- ステップ3シスコのルータやスイッチの実機を準備して練習を行う
この流れに沿って、私が実施した勉強方法を説明していきます。
実は、単純に合格することだけを目標とした場合、これから紹介する方法をすべて実践するのはかなり遠回りです。
「基本的な機器の操作方法も含めてしっかり勉強した上で合格したい」という方は、ステップ2や3まで読み進めていただき、参考になる部分は同じ方法を実施して理解を深めた上で試験に臨んでいただきたいです。
「最低限の理解と”資格に合格している” というステータスが必要で、機器を扱う練習は後で良い」という方はステップ1だけでも合格することは十分に可能です。
ステップ1. 参考書でシスコのコマンドや独自プロトコルを学ぶ
上述した通り、私は古い参考書を使用しましたが、これから受験される方は新試験 (200-301) に対応した参考書を使用しましょう。
最初から完璧に記憶・理解する必要はありませんので、まずは1周終えることを目標にしましょう。
ネットワーク初心者の方にはこの1周目が一番時間がかかり、しんどい部分だと思います。参考書の解説だけでは理解やイメージが追いつかない部分が出てくると思いますので、その都度ネットで検索して参考書に追記するなりノートを作るなりして、参考書の2周目をスムーズに行えるように工夫しましょう。
サブネットマスク絡みの問題は慣れてくれば暗算で計算して解けるようになりますが、サブネットの概念に加えて2進数にも慣れなければならないため、知識ゼロから勉強する場合はそれなりに時間がかかります。
いっそサブネットマスク絡みの問題はすべて飛ばしてしまって、後でまとまった時間をとって勉強するという方法も良いかもしれません。
参考書を何周か回して最終的に記載内容の 90% 以上を理解すれば、その時点で試験に合格できる程度の知識は身についていると思います。
この段階で受験してしまっても良いと思いますが、もし時間があるのなら次のステップに進み、仮想環境でルータやスイッチに実際にコマンドを投入して設定を行ったり、各種プロトコルの動作などを確認してみましょう。
ステップ2. GNS3を使用して仮想環境で機器操作の練習を行う
GNS3 とは、シスコやその他のベンダのネットワーク機器をエミュレートすることができるソフトウェアです。
単体のルータやスイッチに hostname を設定したりインターフェイスに IP アドレスや VLAN を割り当てるといった基本的な操作から、複数台の機器を組み合わせてネットワークを構成してパケットの内容を解析したり各種プロトコルの動作を確認することができます。
- GNS3 公式サイト https://www.gns3.com/
GNS3 のインストール方法と操作方法を説明すると、それだけで数記事を書けるほどの文量になってしまいますので割愛します。
使用方法についてはネット上でも調べられますが、断片的な知識しか得られないため、やはり書籍で学習することをお勧めします。
私が今回使用した参考書は「GNS3によるネットワーク演習ガイド」です。
GNS3 は、ネットワーク技術に関するトレーニングや机上検証用として、世界中の実務エンジニアに使用されています。試験対策としては、CCNA のみならず CCNP の対策でも使用されているソフトウェアです。
本書は、IP ネットワークの基礎や GNS3 の使い方だけでなく、スイッチングや IP マルチキャスト、VPN などを実際に構築&検証する方法まで説明しているので、ネットワーク技術の理解をより深められます。
このあとの「ステップ3 – 実機を用いた練習」までは手が出せない方が多いと思いますが、GNS3 でのエミュレーションはパソコンがあればできますので、受験までに時間がある方やエンジニアとして働きたいと考えている方には是非挑戦して頂きたいです。
ただ参考書を読んでコマンドと実行結果を暗記するより、自分でコマンドを打って機器の設定情報を表示させたりネットワークの状態を変化させることで、強烈に記憶に定着させることができるというメリットもあります。
ステップ3. シスコのルータやスイッチの実機を準備して練習を行う
このステップでは、シスコのルータやスイッチの実機を入手して、実際にPCと機器・機器同士を LAN ケーブルで接続して設定・通信を行うことで機器の扱い方を学びます。
先に断っておきますが、このステップの内容は大半の方にとっては「めんどくさっ!金も手間もかかるしやってられんわ!」と思われるような内容です。
正直 CCNA に合格するだけならここまでする必要はありませんが、学習効果はバツグンなので、こういうことを楽しみながら勉強をできる方のみ参考にしていただければと思います。
CCNAの勉強、教科書でCiscoコマンドを暗記するだけだとクソつまらないけど、実機に繋いでいろいろやるのは楽しい
— 米造(@bill_yonezou) May 24, 2020
GNS3も並用しているけど、実機をいじる楽しさはやっぱり違う
WANや大規模LAN、SDNなんかは手を出しにくいけど、中小規模のLANをきっちり作れるくらいの知識と技術は身につけたいですねぇ pic.twitter.com/IViXk74Krb
さて、入手する機器ですが、現行品は非常に高価で簡単に買えるものではありませんので、中古の型落ち品を手に入れます。
CCNA 対策なら、ルータ2台、L2-SW 2~3台、L3-SW 1台程度を揃えれば十分練習が可能です。
中古の機器は Amazon のような通販サイトでも取り扱われていますが、フリマサイトやオークションサイトのほうが安価で買えるので、メルカリやヤフオクなどで手に入れるのが良いでしょう。
参考までに、安価で手に入りやすい各レイヤの定番の機種のリンクを掲載しておきます。
機器同士の接続には LAN ケーブルも必要なので、短いケーブルを何本か用意すると良いです。
機器とケーブル類が準備できたら、あとは自由にいじり倒して勉強しましょう!
おわりに
CCNA (200-301) の対策方法について説明してきましたが、何度も書いているように、合格するだけなら「ステップ1 – 参考書で学ぶ」の対策だけで十分ですので、受験を検討されている方は是非挑戦してみてください。
テストセンターでの受験の流れ・必要な持ちものなどの体験談のほか、合格後に認定証を発行してもらうために必要な手続きの概要と認定証到着までの日数などは「CCNA(200-301) 合格体験記-受験の流れ、認定証の申請から到着まで」でご紹介していますので合わせてご覧ください。
当ブログ「資格屋」では、情報処理技術者試験に関する情報も掲載していますので、ご興味がありましたら是非どうぞ!