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この記事では、2023 年(令和5年) の基本情報技術者試験に独学で合格を目指す方向けに、お勧めの参考書と勉強方法をご紹介します。
- IT系の資格を取ってみたいけれど、どうやって勉強すれば良いのか分からない
- 基本情報技術者試験の勉強を通して情報処理に関する基本的な内容を学びたい
- 就職・転職活動を行うにあたり情報技術に関する基本的な知識を持っていることを証明したい
- 午後試験の難関課目「ソフトウェア開発」の対策方法が知りたい
基本情報技術者試験の合格率の推移と難易度、合格するための勉強時間の目安などは「基本情報技術者試験の難易度と合格率の推移、勉強時間の目安」でご紹介していますのであわせてご覧ください。
午前試験の参考書と勉強方法
2019 年秋季試験から理数能力を問う設問が増加
基本情報技術者試験の午前問題はテクノロジ 、マネジメント、ストラテジの分野から幅広く出題されます。
2019 年秋季試験から理数能力を問う設問が増加しましたが、増加分は基本的な知識を問う設問ばかりなので、難易度が大きく上昇するほどの変更ではありませんでした。
- テクノロジ (基礎理論、コンピュータシステム、技術要素、開発技術)
- マネジメント (プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント)
- ストラテジ (システム戦略、経営戦略、企業と法務)
なんだかいきなり難しい単語ばかりで嫌になってしまうかもしれませんが、試験問題は単語の意味などが問われる単純な設問ばかりです。
このあとご紹介する参考書を使って広く浅く勉強することで、IT業界やビジネスで用いられる基本的な単語の意味などを身に付けながら合格レベルまで達することができるでしょう。
しっかり試験対策を行っていれば午前試験はまず落ちることがない難易度ですので身構える必要はありません。
基本情報技術者試験の “本番”は “午後試験”です。!
午前試験対策にお勧めの参考書・問題集
基本情報技術者試験の対策には技術評論社が出版する参考書がお勧めなのですが、以下の図の通り、試験範囲を「幅広く」対策する参考書から、試験に出やすい問題を「絞り込んだ」参考書までいくつかのパターンが出版されていて選択に迷ってしまうかもしれません。

上述した通り基本情報技術者試験の午前試験の対策の肝は「幅広く」勉強することですので、まず 1 冊目として図の右側にある参考書にとりかかると良いでしょう。
参考書と問題集は両方使えるなら使ったほうが良いですが、時間も費用もかかってしまいますので、参考書だけ準備して対策を行い、問題集は使わず、IPA のサイトで閲覧できる実際の過去問を解いて試験問題に慣れることをお勧めします。
午前試験を「幅広く」勉強できる合格教本の最新版 (2022 年/令和 04 年 試験対応版) です。
合格教本を終えて 2 冊目にとりかかる余裕がある方、もしくは合格をより確実なものにしたい方は図の左側の書籍を使って「試験に出るところ」を重点的に対策しましょう!
午前試験の勉強方法
1冊目として準備した「幅広く」勉強するための参考書を 2,3 周しましょう。
問題集や2冊目としての「試験に出るところ」重点対策の参考書を準備している場合は、そちらも十分理解できるまで何周か終えます。
参考書を終えたら以下のリンク先の IPA 公式サイトに掲載されている過去問を解いてみましょう。
最低でも過去の試験3回分、できれば6回分を解き、理解が甘い部分は参考書や問題集の該当箇所を開いて復習しましょう。
設問の内容と、なぜその解答が正しいのか、誤っている解答のどこが誤っているのかをきっちり理解した上で試験6回分を9割以上正答できるようになれば十分合格レベルに達していると判断して良いでしょう。
午後試験の参考書と勉強方法
2020年の試験から午後試験が大きく変わった
2020年からの午後試験の出題分野、選択問題の構成及び配点は次の通りです。

午後試験の得点源であったマネジメント・ストラテジ系の分野の配点比率が大幅に減り、大多数の受験者が苦手なアルゴリズム・プログラミングの配点比率が上昇しています。
問1の「情報セキュリティ」と問2~ 問5の選択問題は、これらの分野の基本的な知識に加えて文章の読解力だけで解ける問題が多いのでそれほど対策には苦労しません。
ところが問6の「データ構造及びアルゴリズム」と問7~ 問 11 の「ソフトウェア開発」は IT 未経験者には難易度が高く対策の難しい分野ですので重点的な対策が必要です。
午後試験対策にお勧めの参考書と勉強の流れ
午後試験の試験範囲を満遍なく学ぶ
まずは午後問題の試験範囲を満遍なく学ぶための参考書を準備して勉強しましょう。
ただし、試験範囲全体となると非常に多岐に渡るため、ある程度試験に出るテーマに絞る必要があります。そこでお勧めなのが次の参考書です。
基本情報技術者試験、午後問題を完全対策!
本書は、基本情報技術者試験のうち、「午後問題」に的を絞ったテーマ別頻出問題集です。
令和2年度から始まった CBT 試験もばっちり対策。合格へと着実に近づくことができます。
●本書の特徴
・近年の出題傾向を踏まえて、よくでる問題を厳選収録
・頻出問題をテーマ別に掲載。苦手な分野を集中対策できる
・設問ごとのていねいな解説で、解き方がしっかりわかる
・単なる解き方だけでなく、各設問の技術的な背景もわかりやすく解説
・試験の時間配分を考慮した速読&解答テクニックも掲載
内容を一通り理解できるまで何度も繰り返し学習を行いましょう。
この参考書だけでは「データ構造及びアルゴリズム」と「ソフトウェア開発」の対策が不十分ですので、専用の参考書を準備して学習を行います。
「データ構造及びアルゴリズム」の対策を行う
「データ構造及びアルゴリズム」の参考書は次の書籍がお勧めです。
基本情報技術者試験の「アルゴリズム・擬似言語分野」の試験対策書として売上 No.1を獲得した書籍の最新版 (2022 年/令和 04 年 試験対応版) です。
「ソフトウェア開発(プログラミング)」 の対策を行う
次に、5つの言語の中から1つを選択して解く「ソフトウェア開発(プログラミング)」ですが、
C / Java / アセンブラ は難解で対策に時間がかかるため情報技術の初学者が選択することはお勧めしません。
「ゆくゆくは C / Java / アセンブラ を用いた技術者として働きたいから今から勉強を始めたい」などの理由がある場合は止めませんが、ここでは初学者でも比較的対策が容易な Pythonと表計算だけに的を絞って対策方法をご紹介します。
Python と表計算のどちらを選ぶかは、次のシンプルな判断基準を参考にすると良いでしょう。
- これを機にプログラミングの学習をしてみたい方は Python
- それ以外の方は表計算
どちらが簡単かと言われれば、確実に表計算のほうが簡単です。
“簡単な方がいい”、”対策にかかる時間が短い方がいい”、”とにかく試験に合格できれば良い” という方は表計算を選択しましょう。
ソフトウェア開発(Python)対策にお勧めの参考書
ソフトウェア開発(Python)の対策には次の参考書がお勧めです。
本書は、プログラミング言語として Python を学習するだけでなく、Python を通じてコンピュータの基礎理論やアルゴリズムも合わせて学習し、効率的に基本情報技術者試験の対策ができる構成となっています。
最新の傾向を踏まえ、アルゴリズム分野を中心に内容をさらに充実、予想問題も追加されています。
過去のプログラミング問題の出題傾向や、発表されているシラバスやサンプル問題などを徹底分析して作成したオリジナル予想問題を、5パターン収録。試験前の総仕上げ・実力チェックとして利用しましょう。
ソフトウェア開発(Python)対策の1冊目は本書で決まりです。
本書は、初心者にも扱いやすいプログラミング言語「Python」を使用して、 アルゴリズムの基礎・考え方を学ぶ入門書です。特に Python がはじめてという方のために、第1章ではPythonの基本とデータ構造について解説しています。
本書では、プログラミング入門者が最低限知っておきたいアルゴリズムの基礎と考え方に加えて、アルゴリズムの定石とその計算量について、具体的なサンプルコードと動作イメージを交えて丁寧に解説していきます。
【こんな方におすすめ】
- アルゴリズムをゼロから学びたい
- Python でプログラミングを学んでいるけれど何から手をつけていいのかわからない
- 過去にアルゴリズムを学ぼうと思ったけれどPythonの資料が少なかった
- 基本情報技術者試験で Pythonが 取り入れられるので勉強したい
【本書の特徴】
- Python の基本とアルゴリズムの基礎を一冊で学べる
- 具体的なサンプルコードと動作イメージ(フローチャート)を交えて解説
- 自分で書いて実行して動作を試しながら学習できる
- アルゴリズムの使い方や考え方だけでなく、アルゴリズムの計算量についての理解も深まる
2冊目にご紹介した「Pythonではじめるアルゴリズム入門 伝統的なアルゴリズムで学ぶ定石と計算量」は基本情報技術者試験の午後試験 「データ構造及びアルゴリズム」と「ソフトウェア開発」 を同時に学べる良書だと感じました。
ただし、1冊目としてお勧めした「徹底攻略 基本情報技術者の午後対策 Python編 第2版」より難易度が少々高いので、1冊目を終えた後にもっとじっくり対策したい方の2冊目として使用するのが良いでしょう。
ソフトウェア開発(表計算)対策にお勧めの参考書
ソフトウェア開発(表計算)の対策には次の書籍がお勧めです。
全章を通してワークシートの図を豊富に掲載するとともに、【ポイント】【補足】【注意】といったアイコンを用いて説明を補っています。
これにより「表計算は初めて」という方も関数やマクロをスムーズに学習することができます。
また、学習した内容をより深く理解するために、過去問にもとづいた問題やオリジナル問題を多数収録しているのも本書の特徴です。
「表計算」問題を攻略するためには関数の理解が必要不可欠です。
本書では、比較的わかりやすい基本的な関数から応用的な関数 (試験に頻出の関数)、その他の関数まで、一つ一つ順を追って丁寧に説明しています。
さらに、苦手意識を持たれている方が多いマクロについて、擬似言語の読み方から問題の解き方まで練習問題を織り交ぜながら詳しく解説しています。
「この1冊で基礎から勉強できて基本情報技術者試験に合格できた」という趣旨の Amazon のレビューも複数ある、評価の高い参考書です。
実践経験のあるエキスパートから学べるお勧めの講座
Udemy というサービスをご存知でしょうか。
Udemy (ユーデミー) は、実践経験のあるエキスパート陣の講師からオンラインで技術や知識を学ぶことができる世界最大級の動画学習プラットフォームです。
Udemy では書籍やWEB検索では学び辛い実践的な講座が提供されています。
私も試しにセールで割引されていたサイバーセキュリティに関する講座を受講したところ、「この内容の講座がこの価格で受講できるのか!」と衝撃を受けるほど内容が濃く理解しやすい高品質な講座で驚きました。
それ以来、セールの度に面白そうな講座を見つけては学習することが楽しみになっています。
スマホアプリも提供されていますので、通勤・通学中や外出先などでも学習が可能です。
そんな Udemy の講座の中から、基本情報技術者試験の対策にお勧めの講座をご紹介します。
参考書を読むより動画で学習したいという方は受講を検討してみてはいかがでしょうか。
【Udemy の講座を購入する際の注意点】
Udemy は頻繁に割引セールを実施しています。セール対象の講座は 2,000 円未満の価格で購入できますので、講座の購入をお考えの方はセールの実施を待つことをお勧めします。
>> ~始めから効率よく学ぶ~ 基本情報技術者試験 最速 合格講座|Udemy
基本情報技術者試験合格のために必要な知識のうち重要部分を最短で身に着けましょう!
国家資格である情報処理試験は非常に範囲が広く、1から学習することは効率的とは言えません。
特に基本情報技術者試験は広く浅い知識を求められているため、合格のためには効率的な学習が必要不可欠です。
この講座を活用して最短で合格を手に入れましょう!
-本講座の特徴
- 対象範囲のうち、重要かつ十分な理解が必要である部分(2進数やデータベース、ネットワーク等)を重点的に解説している。
- 図を用いたわかりやすいスライドにより、効率的に学習できる。
- 主にSQLとPythonについて、演習を効果的に配置し、実際に手を動かすことで学びをより深いものにできる。
ITに関する初心者にもわかりやすく、必要となる知識をわかりやすい図を使用しながら丁寧に解説しています。
さらに、講義で扱った内容を実際の過去問題を用いて確かめることのできる演習テストが2回分含まれています。過去問題を活用することで、より早く合格に近づくことができるでしょう。
最後に過去問で実力チェック&弱点の見直しを行う
午後試験対策が十分だと感じたら過去問で実力チェックを行いましょう。
午前試験対策と同様に、最低でも試験 3 回分は解いておきたいところです。
午前試験は同じ問題が繰り返し出題されるためあまり多く解いても時間の無駄になるのですが、午後試験は同じテーマが出題されることはあれども全く同じ問題が出題されることは無いため、できるだけ多くの過去問を解いて練習を行いましょう。多ければ多いほど良いです。
解いたら解きっぱなしではなく、必ず間違えたところを復習しましょう。
Python の過去問
「ソフトウェア開発(Python)」の過去問は公開されていません。
下記のリンク先で Python のサンプル問題を閲覧できますので、試験前に挑戦してみましょう。
おわりに
2020 年以降の試験は今までの試験に比べて理数能力や技術的な知識が重点的に問われるようになります。
IT 未経験者にとっては試験に合格するまでに必要な期間が伸びることになるかもしれませんが、問われている内容は基本的なことなので、本記事でご紹介した書籍等を使用して知識・技術を身につけていけば確実に合格できる試験です。
受験される皆さんが合格できることを願っています。
基本情報技術者試験の合格率の推移や難易度については「基本情報技術者試験の難易度と合格率の推移、勉強時間の目安」でご紹介しています。
基本情報技術者試験合格後に応用情報技術者試験や高度情報処理技術者試験 (情報処理安全確保支援士試験、ネットワークスペシャリスト試験など) を目指す方は以下の記事もよろしければ参考にしてください。