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この記事では、2023 年 (令和5年) の情報セキュリティマネジメント試験に独学で合格を目指す方向けに、お勧めの参考書と勉強方法をご紹介します。
- 情報セキュリティに関する資格を取ってみたいけれど勉強方法が分からない
- 2022 年(令和4年)の情報セキュリティマネジメント試験対策にお勧めの参考書を知りたい
- 試験勉強を通して情報セキュリティに関する基本的な内容を学びたい
- 就職・転職活動を行う上で情報セキュリティに関する基礎知識を持っていることを証明したい
情報セキュリティマネジメント試験の合格率の推移や試験内容から見る難易度、基本情報技術者試験と比較した難易度は「情報セキュリティマネジメントの合格率の推移と勉強時間から見る難易度」でご紹介していますので、ご興味があれば併せてご覧ください。
情報セキュリティマネジメント試験の概要と試験範囲、最近の傾向
試験対策の前に、まずは情報セキュリティマネジメント試験(以下「セキュマネ」と略す場合があります)の概要と試験範囲、最近の試験の傾向を簡単に説明します。
試験の概要と試験範囲
情報セキュリティマネジメント試験は2016年 (平成28年) に新設されたばかりの試験区分で、IT を利用するすべての人材を対象に、情報セキュリティの脅威から継続的に組織を守るために基本的なスキルを認定する国家資格です。
情報処理推進機構 (IPA) が定めるITスキル標準では「スキルレベル2」に該当し、同じスキルレベル2の「基本情報技術者試験」と並んでIT系資格の登竜門的な位置づけの資格です。
ITスキル標準 | 資格名 |
---|---|
レベル 4 | 高度情報処理技術者試験(ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリスト、エンベデッドシステムスペシャリスト ほか)、情報処理安全確保支援士試験 |
レベル 3 | 応用情報技術者試験 |
レベル 2 | 基本情報技術者試験、情報セキュリティマネジメント試験 |
レベル 1 | ITパスポート試験 |
関連資格にはスキルレベル4の上位資格「情報処理安全確保支援士試験 (旧 情報セキュリティスペシャリスト試験)」があります。
セキュマネ試験の試験範囲は情報セキュリティ分野に特化しており、基本情報技術者試験と比べると試験範囲は狭く、コンピュータアルゴリズムやシステム開発(プログラミング)など対策の難しい分野も出題されないため初学者でも対策しやすいです。
試験の傾向
午前試験は選択式 (4択) の問題が 50 問出題され、60%以上 (30問) 正答できれば合格です。
試験問題の多くは「(技術名・用語名)に該当するものはどれか」といった技術・用語の意味を問うだけの単純な問題です。
試験の難易度は横ばいで似たような問題が繰り返し出題されていますので、試験範囲を網羅した教科書で広く浅く学習して過去問の反復演習で試験に慣れるという対策が効果的です。具体的な勉強方法と使用する参考書はこのあとご紹介します。
午後試験は大問が3問出題され、それぞれ問題文を読んだあとに複数の設問に解答する方式です。
技術・用語の単純な丸暗記だけでは対応できず、組織の情報システムを脅かす攻撃の概要、攻撃を防ぐための対策、攻撃を受けた後に取るべき対応などを流れで理解しておく必要があります。
文章の読解力も問われる試験ですので、問題文を読む上でのポイントなどを参考書で学んでおくことが合格への近道となります。
試験の難易度ですが、初回(平成28年度春季)の試験で合格率 88 % を記録して以来やや難化傾向にありましたが、2023 年現在では一定の水準で落ち着いています。
情報セキュリティマネジメント試験の難易度と合格率については「情報セキュリティマネジメントの合格率の推移と難易度・勉強時間の目安」で詳しくご紹介しています。
情報セキュリティマネジメント試験対策にお勧めの参考書
セキュマネ試験のお勧め参考書 厳選1冊
情報セキュリティマネジメント試験の対策にお勧めの参考書をご紹介します。
こちらでご紹介する参考書を使えば午前試験と午後試験の両方に対応できます。
セキュマネ試験に合格するために何冊も参考書を準備する必要はありません。
この1冊を徹底的に理解することが合格への最も効率の良い方法です。
Amazon の「情報セキュリティスペシャリストの資格・検定」カテゴリでベストセラー1位!
初心者でも挫折しない学習書。入門から合格までていねいに導きます。
Webアプリ付きで、CBT試験の演習に最適!
【本書の特長】
- 「試験に出るとこだけ」を、ていねいに、やさしく解説
- スマホで使えるWebアプリ付き
- 午後問題の長文対策もバッチリ
- すべての過去問題の解説付き
- 理解度チェックに最適なチェックシート
【こんな方へおすすめ!】
- とにかく合格したい人
- 時間がないので、パパッと効率よく学習したい人
- 他の学習書を難しいと感じた人
【本書のお勧めポイント】
1. 合格に必要な、最低限の知識のみに絞り、効率よく学習できる
過去問題の分析により「出るとこ、出ないとこ」を見極め、合格のために過不足のない「出るとこだけ」を掲載。
2. CBT 試験の備えも万全
令和2年度から導入された CBT 試験(コンピュータで行う試験)の申込みや受験時の注意点・便利な機能を説明。過去全8回分の午前問題を画面上で解けるWebアプリ付き。スマホでも使えるのでスキマ時間での学習に最適。
3. 全過去問題の解説をダウンロード可。これ1冊で過去問題集としても使える
平成 28 年春期から令和元年秋期まで全8回分の解答解説PDFを Web ダウンロードで提供。
午前問題の解説では、3段階の難易度アイコンを掲載。
復習すべき問題と無視してよい難問・悪問とを区別でき、効率よく学習できる。
過去問題の解説では、おちいりやすい罠(ワナ)とその対策法も詳しく説明。得点力が身に付く。
Amazon で試し読みが可能なので是非ご覧ください。
情報セキュリティマネジメント試験対応の Udemy 講座
Udemy というサービスをご存知でしょうか。
Udemy (ユーデミー) は、実践経験のあるエキスパート陣の講師からオンラインで技術や知識を学ぶことができる世界最大級の動画学習プラットフォームです。
Udemy では書籍やWEB検索では学び辛い実践的な講座が提供されています。
私も試しにセールで割引されていたサイバーセキュリティに関する講座を受講したところ、「この内容の講座がこの価格で受講できるのか!」と衝撃を受けるほど内容が濃く理解しやすい高品質な講座で驚きました。
それ以来、セールの度に面白そうな講座を見つけては学習することが楽しみになっています。
スマホアプリも提供されていますので、通勤・通学中や外出先などでも学習が可能です。
そんな Udemy の講座の中から、情報セキュリティマネジメント試験の出題分野について学べる講座をご紹介します。
参考書を読むより動画で学習したいという方は受講を検討してみてはいかがでしょうか。
【Udemy の講座を購入する際の注意点】
Udemy は頻繁に割引セールを実施しています。セール対象の講座は 2,000 円未満の価格で購入できますので、講座の購入をお考えの方はセールの実施を待つことをお勧めします。
>> これからの時代に必須!基礎から学ぶ「情報セキュリティ入門」|Udemy
本コースは情報セキュリティの基本知識や対策方法を「講義と問題演習」を通じて学びます。
情報セキュリティマネジメント、情報セキュリティ技術及び周辺のIT知識など、情報セキュリティ全般について細かく解説を行います。また、サイバー攻撃についても、具体的な手法や防御方法を学びます。
本コースの内容は、国家試験である情報セキュリティマネジメント試験に対応しています。
【受講者のレビュー】
セキュリティの基礎が体系的に理解できます。情報セキュリティマネジメント試験を受験予定の人はまずこの動画を見てから勉強すると理解が深まります。絶対におすすめです。
これからの時代に必須!基礎から学ぶ「情報セキュリティ入門」|レビュー
こちらの講義を受講し、情報セキュリティマネジメント試験の過去問を繰り返し勉強したところ、無事試験に合格することができました。
試験範囲を細部までカバーされているものではありませんが、全体としてのイメージを掴むことができたのは大きかったと思います。ありがとうございました。
これからの時代に必須!基礎から学ぶ「情報セキュリティ入門」|レビュー
上記の「情報セキュリティ入門」以外にも、Udemy にはセキュマネ試験に対応した人気の講座がいくつかあるのでまとめてご紹介します。
- セキュリティ入門(情報セキュリティマネジメント試験レベル)
- 【5日で学ぶ】情報セキュリティマネジメント入門(Python 3/Kali Linux)
- 【セキュリティ知識を深める!】情報セキュリティ基礎 + 情報セキュリティマネジメント試験 合格講座
リンク先の Udemy 講座のページをご覧になって、ご自分の現在のレベルに合った講座を1つか複数受講されると良いでしょう。
セキュマネの試験対策に情報処理安全確保支援士の参考書は役に立つ?
情報セキュリティマネジメント試験合格後に情報処理安全確保支援士試験 (以下、支援士試験) を受験することを見越している方の中には、それぞれの試験の範囲が情報セキュリティに特化していることから「セキュマネの試験対策に支援士試験の参考書が使えるのではないか?」と考える方がいらっしゃるようです。
支援士試験に合格している私の意見は次の通りです。
もちろん役には立つが、難易度は圧倒的に支援士試験の方が高く、掲載されている内容はセキュマネ試験の出題範囲を超えているため、中途半端には手を出さないほうがよい。
準備したセキュマネ対策の参考書をしっかり理解できてなお時間に余裕があるのなら取り組むと良い。
支援士試験の難易度などに興味がある方は以下の記事もご一読ください。
情報セキュリティマネジメント試験の勉強方法
まずは午前試験の対策を行う
情報セキュリティマネジメント試験を受験する方の多くは今までに情報技術・情報セキュリティについて学んだことがない方だと思いますので、まずは基本的な用語を覚える意味でも午前試験の対策から始めましょう。
お勧め参考書の節でご紹介した参考書の第1章から第9章 (以下、教科書部分と書きます)を1~2周して試験範囲を広くざっくりと学びましょう。この時点で内容を完璧に理解する必要はありません。
続いて、巻末の予想問題の「午前試験」だけを解いてみましょう。
予想問題の解説を読んでいてわからない部分が出てきたら教科書部分の該当するページを開いて確認するという流れで勉強を進めます。
午後試験の対策を行う
午前試験の対策が一通り終わったら午後試験の予想問題を解いていきましょう。
本記事の「試験の傾向」の節にも書きましたが、午後試験は文章の読解力が若干必要になります。
とはいえ、解答が完全に記述式 (論述式) の高度試験(情報処理安全確保支援士試験など)とは違い情報セキュリティマネジメント試験の解答は選択式ですので、読解力向上のための特別な対策などは必要ありません。
予想問題の解説や参考書に記載されている午後試験対策のポイントをよく読んで実践すれば良いでしょう。
最後に過去問で実力チェック&弱点の見直しを行う
参考書を一通り終えて自信がついたら、実際に時間を計りながら本試験に臨むつもりで過去問を解いてみましょう。
教科書と問題集で一度は解いている問題だと思いますが、100 点満点はなかなか取れないのではないでしょうか。解いたら解きっぱなしではなく、間違えた問題は必ず復習しましょう。
午前試験は同じ問題が繰り返し出題されるためあまり多く解いても時間の無駄になるのですが、午後試験は同じテーマが出題されることはあれども全く同じ問題が出題されることは無いため、できるだけ多くの過去問を解いて練習を行いましょう。
情報セキュリティマネジメント試験に合格することによる評価
情報セキュリティマネジメント試験は、合格したからと言って高度な情報セキュリティ技術が身についたり開発に携わることができるような試験ではありません。
しかし、会社・団体・学校などの組織において社内システムやメールを利用する状況が多い現代において、最低限の情報セキュリティの知識を身に着けていることは確実に評価されるでしょう。
情報セキュリティマネジメント試験の難易度
情報セキュリティマネジメント試験の合格率の推移や試験内容から見る難易度、基本情報技術者試験と比較した難易度は「情報セキュリティマネジメントの合格率の推移と勉強時間から見る難易度」でご紹介していますので、ご興味があれば併せてご覧ください。
情報セキュリティマネジメント試験の関連資格・上位資格
セキュマネ試験合格後に情報関係の勉強を続ける方には基本情報技術者試験の合格を目指すことをお勧めします。
午前問題ではコンピュータシステム・など情報技術の基本的な内容に加え、プロジェクトマネジメントや情報システム戦略、経営戦略など、IT人材としての素養を学べます。
午後問題では情報セキュリティ・データベース・ネットワーク・コンピュータアルゴリズム・プログラム開発(プログラミング)など情報化社会の根幹となる技術をテーマにした良問が出題され、システム開発者として身につけておくべき基本的な知識や技術を学べます。
情報セキュリティをより深く学びたい方には上位資格の情報処理安全確保支援士試験もお勧めです。
セキュマネ試験と比較すると学習する内容の専門性が高くなり、一部の設問の解答形式が記述式になるため難易度は格段に上がりますが、合格した暁には情報セキュリティに関するそれなりの知識が身についていることは間違いありません。