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この記事では、2023 年 (令和5年) 現在のネットワークスペシャリスト試験の難易度と合格率の推移、合格するために必要な勉強時間について、IT 業界未経験の私がネットワークスペシャリスト試験に独学で合格した経験を基にご紹介します。
- ネットワークスペシャリスト試験の合格率の推移から見る難易度を知りたい
- ネットワークスペシャリスト試験に合格するために必要な勉強時間を知りたい
- 関連資格である CCNA や情報処理安全確保支援士試験との難易度の比較が気になる
私がネットワークスペシャリスト試験に合格するために使用したお勧め参考書と勉強の流れ、受験のコツなどは「ネットワークスペシャリストに独学で合格できるお勧め参考書と勉強方法」でご紹介していますので併せてご覧ください。
ネットワークスペシャリスト試験の合格率の推移
ネットワークスペシャリスト試験の近年の合格率の推移は以下の図表の通りです。
年度 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 (受験者比) | 合格率 (出願者比) |
---|---|---|---|---|---|
平成 21 年秋期 | 25,161人 | 16,368人 | 2,433人 | 14.9% | 9.7% |
平成 22 年秋期 | 25,544人 | 16,649人 | 2,263人 | 13.6% | 8.9% |
平成 23 年秋期 | 21,465人 | 14,077人 | 2,069人 | 14.7% | 9.6% |
平成 24 年秋期 | 21,941人 | 14,612人 | 2,019人 | 13.8% | 9.2% |
平成 25 年秋期 | 20,803人 | 13,288人 | 1,899人 | 14.3% | 9.1% |
平成 26 年秋期 | 20,220人 | 13,215人 | 1,832人 | 13.9% | 9.1% |
平成 27 年秋期 | 18,990人 | 12,407人 | 1,811人 | 14.6% | 9.5% |
平成 28 年秋期 | 18,096人 | 11,946人 | 1,840人 | 15.4% | 10.2% |
平成 29 年秋期 | 19,556人 | 12,780人 | 1,736人 | 13.6% | 8.9% |
平成 30 年秋期 | 18,922人 | 12,322人 | 1,893人 | 15.4% | 10.0% |
令和 元年 秋期 | 18,345人 | 11,882人 | 1,707人 | 14.4% | 9.3% |

ネットワークスペシャリスト試験の難易度
合格率の推移から見る難易度
近年の合格率は 14 % 前後で安定しており、最新(令和元年)の合格率は 14.4 % です。
試験の難易度は「難しい」レベルであると言えるでしょう。
ネットワークスペシャリスト試験は出願者数に対して受験者数が少なく、毎回出願したうちの 65 % 程度しか受験しません。多くの出願者が受験する前から諦めてしまうことも、この試験の難易度の高さを表しています。
一方で、IT 業界の実務経験が無い人や完全独学では合格できないほど難易度が高いわけでもありません。
実際、私は IT 業界の実務経験はありませんが独学で合格しましたので、その経験をこのあとご紹介します。
合格に必要な勉強時間
ネットワークスペシャリスト試験に合格するために必要な勉強時間は以下の2つの要素に該当するかどうかによって大きく変わってきます。
- ネットワークに関する基礎知識を持っているか
- IPA の高度試験の試験形式に慣れているか(ほかの高度試験に合格しているか)
“1. ネットワークに関する基礎知識を持っているか” とは、実務を通してネットワークに関する知識を学んだり、実務は未経験でも独学でネットワークに関する勉強をしたことがあるかどうかということです。
この要素が合格に必要な勉強時間に影響を与えることは具体的に説明するまでもないでしょう。これから受験する試験に関する知識を持っていれば短期間の勉強で合格できることは当然ですよね。
“2. IPA の高度試験の試験形式に慣れているか” とは、IPA が実施する情報処理安全確保支援士やデータベーススペシャリストなど、他の高度試験 (高度情報処理技術者試験) に合格していたり勉強したことがあるかということです。
ネットワークスペシャリスト試験や情報処理安全確保支援士試験などの IPA の高度試験の出題形式は独特で、選択肢で解答する問題だけでなく所定の文字数で論述する問題が出題されます。
高度試験の対策では、試験分野に関する知識以外に設問に対して的確に解答を論述する能力を身につける必要があり、この対策に意外と時間がかかるのです。
対策に一番時間がかかるのはネットワークに関して全く知識が無く高度試験の受験も初めての人です。
このパターンの方が合格を目指す場合は数ヶ月~一年以上の勉強期間が必要になるでしょう。
数ヶ月の勉強を経て試験に挑戦したものの不合格となり来年また挑戦するという人も大勢いますので覚悟が必要です。
次に時間がかかるのがネットワークに関する知識は無いが他の高度試験に合格している人です。
他の高度試験に合格している場合は午前Ⅰ試験が免除となるため必要な勉強時間を 15 ~ 30 時間ほど短縮可能で、午後試験の出題形式にも経験があるため論述対策にかかる時間も短縮できるでしょう。
とはいえ、午前Ⅰや論述対策にかかる時間は、ネットワークに関する幅広い知識を学ぶためにかかる時間に比べると短いものです。
「OSI 参照モデル」や「サブネットマスクとは何か?」といったネットワークの基礎知識から勉強を始め、試験に出題される可能性がある分野を広く浅く網羅するだけでも、数ヶ月~半年以上の勉強期間が必要になるでしょう。
続いて、ネットワークに関する知識はあるが高度試験の受験は初めての人の場合です。
ネットワークに関する知識を持っているアドバンテージは非常に大きく、勉強期間を大幅に短縮可能です。
毎日の勉強時間次第ですが、数週間~ 2,3 ヶ月ほどの勉強期間が必要になるでしょう。
最後に、ネットワークに関する基礎知識があり、別の高度試験にも合格している人の場合です。
ここでは私自身の経験をお話します。
私は IT 業界の実務経験はありませんが、何年も前から趣味でネットワークや情報セキュリティに関する勉強を続けており、高度試験である情報処理安全確保支援士試験にも合格しているため上記の2つの要素を満たします。
このような状態からだと午後試験の論述対策だけすれば良いので、ほんの数時間 ~ 50 時間程度 の勉強時間で合格できるでしょう。
平日1~2時間、休日2~3時間ほど勉強する場合は2週間~1ヶ月程度の勉強期間が必要です。
私の例を挙げると、午前Ⅰは免除、午前Ⅱは試験直前に約5時間の対策を実施しました。
午後試験の対策は試験の約1ヶ月前から1日1~2時間くらいのペースで参考書と過去問を中心に進め、試験の数日前には対策が終わりました。
情報処理安全確保支援士試験との難易度の比較
ネットワークスペシャリスト試験の合格を目指す人が同時に挑戦するのが情報処理安全確保支援士試験(旧 情報セキュリティスペシャリスト試験)です。
ネットワーク構築・運用と情報セキュリティは切っても切れない関係なので両者の合格を目指すことは理にかなっています。
両者の難易度の比較ですが、結論から言うとネットワークスペシャリスト試験は情報処理安全確保支援士試験より難しいです。
その理由は「情報処理安全確保支援士の難易度と合格率、他の試験区分との比較」の記事の中ほどの「ネットワークスペシャリスト試験との難易度比較」で詳しく述べていますのでそちらをご覧ください。
シスコ技術者認定試験 (CCNA・CCNP)との難易度比較
ネットワーク関連の資格と言えば、ネットワーク機器開発の世界最大手・シスコシステムズ社が実施するシスコ技術者認定試験が有名です。ネットワークの分野に興味がある人なら聞いたことがない人は居ないでしょう。
CCNA とネットワークスペシャリスト試験の難易度の比較ですが、両方とも独学で合格した私の感覚では CCNA よりネットワークスペシャリスト試験の方がかなり難易度が高いと感じました。
おわりに
ネットワークスペシャリスト試験は合格率が低く難関とされる試験ですが、非エンジニアでも独学で合格することが可能ですので、受験しようかどうか迷っている方はぜひ挑戦してみてください。
私がネットワークスペシャリスト試験に合格するために使用したお勧め参考書と勉強の流れ、受験のコツなどは「ネットワークスペシャリストに独学で合格できるお勧め参考書と勉強方法」でご紹介しています。