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技術士 第一次試験に独学で合格できるお勧め参考書と勉強方法

技術士 一次試験

米造
米造

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この記事では、2023 年(令和5年) の技術士 第一次試験に独学で合格するためにお勧めの参考書と各科目の攻略方法・勉強方法を、著者が技術士 第一次試験 (情報工学部門) に独学で合格した経験を基にご紹介しています。

技術士 第一次試験の科目ごとの難易度と合格率の推移については「技術士 第一次試験の科目ごとの難易度と合格率の推移」の記事にまとめていますので併せてご覧ください。

この記事の内容はこんな方にお勧めです。
  • 技術士試験に挑戦してみたいけれど、どの参考書を使えば良いのかわからない
  • 技術士試験に効率よく合格するための攻略方法・勉強方法を知りたい
  • 技術士試験の勉強を通して、技術者としての基本的な知識や遵守事項を学びたい
  • 就職・転職活動を行うにあたり特定の技術分野に関する基本的な知識を持っていることを証明したい
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技術士 第一次試験の概要と科目ごとの傾向

試験の概要

技術士 第一次試験は筆記試験で行われ、基礎科目・適性科目・専門科目 の3科目全てが合格基準を上回ることで合格となります。

科目合格の制度は無いため、例えば2科目に合格して1科目だけ不合格となってしまった場合、次回また3科目全てを受験しなおす必要があります。

科目ごとの傾向

基礎科目

例年、次の5つの分野が出題されます。

  • Ⅰ群 … 設計・計画に関するもの
  • Ⅱ群 … 情報・論理に関するもの
  • Ⅲ群 … 解析に関するもの
  • Ⅳ群 … 材料・化学・バイオに関するもの
  • Ⅴ群 … 環境・エネルギー・技術に関するもの

それぞれの群ごとに6題出題され、そのうち3題を選択して解答します。
つまり、基礎科目全体で解答する設問数は3題×5群=15問 となります。

設問のレベルは大学教養レベルなので本来はそこそこ難しい試験なのですが、過去問の焼き直しや使い回しの設問が多いため、過去問の反復演習を行うことが合格への最短ルートです。

このあとご紹介する参考書と勉強方法を用いて対策すると良いでしょう。

適性科目

技術士法第四章の規定の遵守に関する適性に関する問題や、技術者としての一般常識を問う問題が出題されます。

“文章を読んで常識的に考えればこれが正解(これが誤り)”と正答を選択できる問題が多く、全く対策をせずぶっつけ本番で試験に挑んで合格する方もいらっしゃるほどなので、それほど難易度が高い科目ではありません。

ただし、近年は出題方式に変化が見られるので注意が必要です。

平成 29 年ごろまでは下図1のように「適切なもの(不適切なもの)を次の中から選べ。」という出題形式の問題が多く、あまり深く理解できていなくても2択くらいにまで選択肢を絞り込めていたのですが、

技術士 第一次試験 適性科目の試験問題例の画像
図1. 技術士 第一次試験 適性科目の試験問題例1

ここ数年は下図2のように「適切なもの(不適切なもの)の数はどれか。」という出題形式の問題が増えており、それなりにしっかり理解しておかないと自信をもって解答できません。

技術士 第一次試験 適性科目の試験問題例の画像
図2. 技術士 第一次試験 適性科目の試験問題例2

この出題方式の変化を見ると、全く試験対策をせずに受験して合格するというのは難しくなってきているのではないかと思います。

しかし、普通に対策をすれば問題なく合格できるレベルの試験であることに変わりはありません。
最近の出題方式に対応するための参考書と勉強方法はこのあとご紹介します。

専門科目

専門科目では、受験する技術部門に係る基礎知識及び専門知識を問う問題が出題されます。
受験する技術部門によって試験対策の難易度に大きく差がある科目です。

例えば、情報工学部門の専門科目に出題される問題は、情報処理技術者試験(応用情報技術者試験情報処理安全確保支援士試験など)に出題される問題に似ているため、これらの資格試験の参考書を使って勉強をすれば容易に対策をすることができます。

同様に、電気電子部門の受験者は第三種電気主任技術者試験やエネルギー管理士試験の参考書で勉強すれば、専門科目の対策は容易です。

しかし、類似問題が出題される資格試験が存在しない技術分野は対策が困難になります。

技術士 第一次試験 お勧めの参考書

技術士 第一次試験の基礎科目、適性科目、専門科目の対策にお勧めの参考書をご紹介します。

基礎科目・適性科目のお勧めの参考書

技術士教科書 技術士 第一次試験問題集 基礎・適性科目パーフェクト 2021年版

技術士 第一次試験は「過去問題を解けば合格できる」傾向が強く、頻出問題を解けるようにしておくことが重要です。

本書は 技術士 第一次試験3科目のうち、「基礎科目」「適性科目」に対応し、「平成 19 年度~令和元年度(再試験含む)」までの計 15 回分の過去問題を提供します。

(書籍本体への収録は平成 26 年度~令和 2 年度の7回分。平成 19 年度~平成 25 年度の7回分および令和元年度再試験はWebからのダウンロード提供)。

また、近年の出題傾向をしっかり分析して作成した予想模試も、読者専用サイトからダウンロードできます。

「本書以外に選択肢なんてない!」と言ってしまっても良いくらい定番の参考書です。

私もこのシリーズの参考書を使って 2020 年の技術士 第一次試験に合格しました。

このツイートに書いているように、私は古い参考書を使用して勉強しました。過去の参考書なら安く手に入るというメリットはありますが、当然ながら最新の過去問の解説が得られないので注意が必要です。

技術士教科書 技術士 第一次試験 出るとこだけ! 基礎・適性科目の要点整理 第2版

本書は、技術士第一次試験の基礎科目・適性科目を徹底的に分析し、重要テーマについて「問われるポイント」「覚えるべき用語や公式」を絞り込み、実際に「頻出テーマの過去問題を解く」ことで、効率よく確実に得点力が身につくように構成しています。

【本書の特長】
・重要な用語、公式・定理・定義、法規などをテーマ別に整理
・頻出の過去問題を厳選し、要点を簡潔に解説
・携帯しやすいコンパクトサイズ。スキマ時間の学習にピッタリ
・キーワードや公式の暗記に便利な、赤シート付き

【本書の対象読者】
・はじめて技術士第一次試験に挑戦する方
・効率的に得点力をつけたい方
・試験直前まで粘って得点力をアップしたい方

先ほどご紹介した「技術士教科書 技術士 第一次試験問題集 基礎・適性科目パーフェクト 2021年版」(以下「過去問集」と記載します)は過去問が多く掲載されている分、解説の分量は薄めです。

本書は頻出の重要テーマについて詳しく解説されていますので、過去問集の解説だけでは内容が理解できないという方は、本書を教科書として利用して基礎力を定着させましょう。

専門科目のお勧めの参考書

専門科目については、試験に合格して終わりではなく、自分の専門分野について基礎からきっちり勉強したいと考える方も多いと思います。

「科目ごとの傾向」の項に記載した通り、受験する技術部門の専門科目の類似問題が出題される資格試験が存在する場合は、その資格試験の参考書を使用することも一つの手だと思います。

例えば、電気電子部門の受験者には電気主任技術者試験(電験)の参考書が、情報工学部門の受験者には情報処理技術者試験(応用情報技術者試験情報処理安全確保支援士試験など)の参考書が役に立つでしょう。

また、受験する技術分野に関する教科書を使って勉強すれば体系的な知識が身につくでしょう。

例えば、電気電子部門を受験する場合は、次の画像にあるような教科書を使って勉強すれば、試験範囲の知識はもちろん、出題されない範囲の知識まで身につくでしょう。

ただし、試験に合格するという目標に対しては非常に遠回りで時間がかかる勉強方法です。

手っ取り早く合格することだけを目的とするなら、専門科目の過去問の反復演習を行うことが最も有効な勉強方法なので、過去問集が出版されている場合はそれを使用しましょう。

■建設部門の参考書

■電気電子部門の参考書

■情報工学部門の参考書

■環境部門の参考書

■機械部門の参考書

■上下水道部門の参考書

技術士 第一次試験に合格する勉強方法

技術士 第一次試験は「合格させるための試験」で「落とす試験」では無いので、ひっかけ問題や重箱の隅を突くような問題は出題されません。

基本的な内容を正確に理解することを意識して勉強を進めましょう。

基礎科目・適性科目については過去問集と教科書の反復演習が最も効率の良い勉強方法でしょう。

過去問の内容をしっかり理解して解けるようになるまで何度も反復演習を行いましょう。
くれぐれも、問題と選択肢を丸暗記してしまわないように注意してください。

専門科目については、「お勧めの参考書」の項に書いた通り、「試験に合格できれば十分」なのか「試験合格は通過点でそれ以上の知識を身につけたい」のか、目指すところによってアプローチの方法が変わってきます。

ほとんどの受験者は「試験に合格できれば十分」だと思いますので、その場合は過去問の反復演習で十分合格レベルに達するでしょう。

おわりに

この記事が技術士 一次試験の合格を目指す方の参考になれば幸いです。

技術士 第一次試験の科目ごとの難易度と合格率の推移については「技術士 第一次試験の科目ごとの難易度と合格率の推移」の記事にまとめていますので併せてご覧ください。

また、技術士 一次試験は合格すれば官報に氏名が掲載される数少ない試験の一つです。
合格者の氏名が官報に掲載される資格一覧と官報購入時の注意点 」の記事に詳細をまとめていますのでご興味があればご覧ください。