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今回は設備管理業界 (ビルメン業界) には必須の「資格」についての話題です。
ビルメンは様々な設備を扱うため、求められる資格の数も多い業種です。
みんな自分の仕事の幅を広げて会社・社会に貢献するために勉強して数多くの資格を取るのです。
…と言えば聞こえがいいのですが、実情はそうではありません。
何のために資格を取るのか。
ズバリ「金」です。カネ。もしくは転職して給料を含む待遇を良くするためです。
設備管理業界にはボーナスや昇給がない会社がごまんとあります。私が勤めていた会社もそうでした。
そのような会社で給料を上げる唯一の方法が資格取得による「資格手当」です。
難易度が高くて需要のある資格を取得すればそれだけ給料が上がり、転職もしやすくなるのでみんな必死に勉強するのです。
他業種では資格を取得すると毎月の手当だけではなく資格取得一時金が支給されるそうですが、ビルメン業界で一時金が貰える会社というのは僕自身は聞いたことがありません。
一部の系列系ビルメン会社では貰えるという話をネット上で見たことはありますが、実情はわかりません。
この記事では、ビルメン業界で資格手当が設定されている資格とその金額の例を、設備管理業界に勤めていた経験のある元ビルメンがご紹介します。
ビルメン会社の資格手当の実例
資格名 | 金額 | 備考 |
危険物取扱者乙種4類 | 500~1,000円 | 乙4以外はもらえない会社多数 |
危険物取扱者甲種 | 1,000~2,000円 | |
消防設備士乙種 | 0~1,000円 | 乙4と乙6だけ高い会社あり |
消防設備士甲種 | 500~2,000円 | 甲4と甲6だけ高い会社あり |
第二種電気工事士 | 500~3,000円 | |
第一種電気工事士 | 1,000~5,000円 | |
第三種冷凍機械責任者 | 500~2,000円 | |
第二種冷凍機械責任者 | 1,000~3,000円 | |
二級ボイラー技士 | 500~2,000円 | |
一級ボイラー技士 | 1,500~3,000円 | |
第三種電気主任技術者 | 1,000~10,000円 | 資格を保有しているだけで選任されていない場合 |
第三種電気主任技術者 (選任手当) | 0~10,000円 | 選任されれば、さらに選任手当が貰える会社あり |
第二種電気主任技術者 | 3,000~10,000円 | 中小独立系では持て余すので手当が貰えない会社あり |
エネルギー管理士 | 3,000~10,000円 | |
建築物環境衛生管理技術者 | 3,000~10,000円 |
どこのビルメン会社でも手当が貰える資格はこのくらいです。金額は大体この範囲内ですが例外もあるでしょう。私が勤めていた会社の資格手当はこの範囲内でした。
ビルメンは資格資格!と言う割には手当が貰える資格の数も金額もイマイチだと思いませんか?
ええ、その通りです(笑)
それでも、昇給が無い以上、少しずつでも資格を取って資格手当で給料を上げるしかないんですよね。
必須の資格 “ビルメン4点セット”は全て揃えても数千円
ビルメンとして働く上で最低限必要な4種類の資格は “ビルメン4点セット” と呼ばれています。
ビルメン4点セットの難易度や勉強方法は「設備資格「ビルメン4点セット」の難易度と優先順位」で詳しくご紹介しています。
「資格を4つも持っていればそこそこの資格手当がつくんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、ビルメン4点セットはビルメンとしては持っていて当然の資格なので、4種類全て持っていてもたいした金額にはなりません。
資格手当の少ない会社なら合計 3,000 円未満でしょうし、多い会社でもこの4つだけで合計 8,000 円に達するビルメン会社はなかなか無いのではないでしょうか。
ビルメンとしての基礎の基礎が学べる資格ですし、これらの資格から難易度が高く資格手当も高額な資格にステップアップしていけば良いので、これからビルメンとして働こうと思っている方・ビルメンとして働いていてまだビルメン4点セットを持っていない方は是非取得を目指してみてください。
“ビルメン三種の神器” は難易度も資格手当もハイレベル
ビルメン業界には、先ほどご紹介した “ビルメン4点セット” のほかに、”ビルメン三種の神器” と呼ばれる3種類の資格があります。
ビルメン三種の神器はビルメン4点セットとは対象的に、取得すれば年収が上がるだとか、待遇の良い会社に転職できるなんていうウワサがある難易度の高い資格です。
三種の神器は取得できれば給料が上がる可能性が高いですが、 建築物環境衛生管理技術者以外の2つは難易度がそこそこ高いので、年単位での受験スケジュールを立てて挑戦する必要があります。
ビルメン会社の規模によっては資格手当がもらえない資格もある
系列系ビルメン会社や大手独立系の会社だと各種施工管理技士や建築士、建築設備士などにも資格手当が設定されている場合があるそうですが、中小独立系の会社ではこれらの資格は持て余すだけなので資格手当の支給は期待できません。
また、多くの会社で資格手当の支給額の上限が定められていたり、手当の対象となる資格の数の上限が定められているなど、資格を取れば取るほどいくらでも手当が増額するわけではありません。
結局、資格手当だけで年収を上げるという方法には限界が見えてくるので、みんな待遇の良い同業他社か他業種への転職を目指すようになります。
ちなみに私は第一級陸上無線技術士や情報処理安全確保支援士、電気通信主任技術者などの資格を有していたおかげで、ビルメン業界から放送業界 (放送局の技術職) に転職することができました。
以上、今回はビルメン会社の資格手当の実情を紹介しました。
もしこの記事を読んでくださっている貴方がビルメン会社への就職を検討しているなら、その会社は資格手当がもらえるのか、金額の上限はいくらか、手当の対象となる資格の数はいくつか、などを可能な限り調べることをお勧めします。
資格手当は給料が少ないビルメンの生命線です。
資格手当の有無のような会社の内情なんて調べられるの?と疑問に思いますよね。
転職会議
ビルメン業界への就職・転職は下調べをしっかりと!
ビルメン業界への就職・転職を業界全体のふんわりとしたイメージだけで決めてしまうと痛い目にあうかもしれません。
ビルメンはどの現場でも定時の巡回だけしてあとは事務所でネットサーフィンをしているなんて思ったら大間違いですし、上場しているビルメン会社なら全て待遇が良いとも限りません。
転職会議
実際に転職に利用した私の体感ですが、 転職サイトには比較的高待遇なビルメン会社の求人が掲載されいますので、こちらもビルメンへ転職する際には利用してみましょう!