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この記事では、2023 年 (令和5年) の情報セキュリティマネジメント試験に独学で合格を目指す方向けに、お勧めの参考書と勉強方法をご紹介します。
2023 年4月の試験制度改定に対応した内容です。CBT 方式の試験にも対応しています。
- 情報セキュリティに関する資格を取ってみたいけれど勉強方法が分からない
- 情報セキュリティマネジメント試験対策にお勧めの参考書を知りたい
- 試験勉強を通して情報セキュリティに関する基本的な内容を学びたい
- 就職・転職活動を行う上で情報セキュリティに関する基礎知識を持っていることを証明したい
情報セキュリティマネジメント試験の合格率の推移や試験内容から見る難易度、基本情報技術者試験と比較した難易度は「情報セキュリティマネジメントの合格率の推移と勉強時間から見る難易度」でご紹介していますので、ご興味があれば併せてご覧ください。
情報セキュリティマネジメント試験の概要と出題形式
試験対策の前に、まずは情報セキュリティマネジメント試験(以下「セキュマネ」と略す場合があります)の概要と試験範囲、最近の試験の傾向を簡単に説明します。
試験の概要と試験範囲
情報セキュリティマネジメント試験は2016年 (平成28年) に新設されたばかりの試験区分で、IT を利用するすべての人材を対象に、情報セキュリティの脅威から継続的に組織を守るために基本的なスキルを認定する国家資格です。
情報処理推進機構 (IPA) が定めるITスキル標準では「スキルレベル2」に該当し、同じスキルレベル2の「基本情報技術者試験」と並んでIT系資格の登竜門的な位置づけの資格です。
ITスキル標準 | 資格名 |
---|---|
レベル 4 | 高度情報処理技術者試験(ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリスト ほか)、情報処理安全確保支援士試験 |
レベル 3 | 応用情報技術者試験 |
レベル 2 | 基本情報技術者試験、情報セキュリティマネジメント試験 |
レベル 1 | ITパスポート試験 |
関連資格にはスキルレベル4の上位資格「情報処理安全確保支援士試験 (旧 情報セキュリティスペシャリスト試験)」があります。
セキュマネ試験の試験範囲は情報セキュリティ分野に特化しており、基本情報技術者試験と比べると試験範囲は狭く、コンピュータアルゴリズムやシステム開発(プログラミング)など対策の難しい分野も出題されないため初学者でも対策しやすいです。
セキュマネ試験の出題形式
セキュマネ試験は 2023 年4月に改定が行われ、出題形式が大きく変更されました。
新制度の試験時間は 120 分、「科目A」と「科目B」の2科目をまとめて実施し、合計 60 問出題されます。出題数の内訳は、科目Aが 48 問、科目Bが 12 問です。
科目Aの試験問題の多くは「(技術名・用語名)に該当するものはどれか」といった技術・用語の意味を問うだけのシンプルな問題です。
過去問と似たような問題が繰り返し出題されていますので、試験範囲を網羅した教科書で広く浅く学習して過去問の反復演習で試験に慣れるという対策が効果的です。具体的な勉強方法と使用する参考書はこのあとご紹介します。
科目Bは科目Aと比べるとやや長い問題文が提示され設問に解答する方式です。
技術・用語の単純な丸暗記だけでは対応できず、組織の情報システムを脅かす攻撃の概要、攻撃を防ぐための対策、攻撃を受けた後に取るべき対応などの考え方を理解しておく必要があります。
問題文を読む上でのポイントなどを参考書で学んでおくことが合格への近道となります。
試験の難易度ですが、初回(平成28年度春季)の試験で合格率 88 % を記録して以来やや難化傾向にあり一時は合格率 50 %程度で落ち着いていましたが、2023 年 (令和5年) から始まった CBT 方式の試験は合格率 70 %以上という高い水準で推移しています。
情報セキュリティマネジメント試験の難易度と最新の合格率について詳しくは「情報セキュリティマネジメントの合格率の推移と難易度・勉強時間の目安」でご紹介しています。
情報セキュリティマネジメント試験対策にお勧めの参考書
セキュマネ試験のお勧め参考書 厳選1冊
情報セキュリティマネジメント試験の対策にお勧めの参考書をご紹介します。
こちらでご紹介する参考書を使えば科目Aと科目Bの両方に対応できます。
セキュマネ試験に合格するために何冊も参考書を準備する必要はありません。
この1冊を徹底的に理解することが合格への最も効率の良い方法です。
情報セキュリティマネジメント試験対策の参考書として、2019 年から 2023 年までの5年連続でベストセラー1位を獲得しているの定番の参考書です。
2023 年4月からの新試験制度に対応しています。
「初心者が挫折しない本」をコンセプトにした入門書で、図表を用いてやさしく解説されています。
私が本書をお勧めするポイントは、購入特典が豊富である点です。
1.CBT 方式の練習になる Web アプリ付き
全8回分の過去問題〈午前〉と予想問題〈科目A〉をコンピュータ上で解けるWebアプリ付き。
スマホでも使えるので、スキマ時間での学習に最適。
2.「サンプル問題セット」の解説を Web ダウンロードで提供
IPA の公式サイトで公開されている「情報セキュリティマネジメント試験 サンプル問題セット」の解説を PDF ファイルをダウンロード可能。
3.全過去問題の解説を Web ダウンロードで提供
全8回分の過去問題〈午前〉の解説PDFファイルをWebダウンロードで提供。
※注意:本書(2023 年版)の特典のダウンロード期限・Webアプリの利用期限は、2023年12月31日です。
新版 (2024 年版) が 2023 年11月20日に出版されますので、それ以降に勉強を開始される予定の方は新版を購入することをお勧めします。
情報セキュリティマネジメント試験対応の Udemy 講座
Udemy というサービスをご存知でしょうか。
Udemy (ユーデミー) は、実践経験のあるエキスパート陣の講師からオンラインで技術や知識を学ぶことができる世界最大級の動画学習プラットフォームです。
Udemy では書籍やWEB検索では学び辛い実践的な講座が提供されています。
私も試しにセールで割引されていたサイバーセキュリティに関する講座を受講したところ、「この内容の講座がこの価格で受講できるのか!」と衝撃を受けるほど内容が濃く理解しやすい高品質な講座で驚きました。
それ以来、セールの度に面白そうな講座を見つけては学習することが楽しみになっています。
スマホアプリも提供されていますので、通勤・通学中や外出先などでも学習が可能です。
そんな Udemy の講座の中から、情報セキュリティマネジメント試験の出題分野について学べる講座をご紹介します。
参考書を読むより動画で学習したいという方は受講を検討してみてはいかがでしょうか。
【Udemy の講座を購入する際の注意点】
Udemy は頻繁に割引セールを実施しています。セール対象の講座は 2,000 円未満の価格で購入できますので、講座の購入をお考えの方はセールの実施を待つことをお勧めします。
>>情報セキュリティ基礎 + 情報セキュリティマネジメント試験 合格講座|Udemy
セキュリティ知識を身に着け、国家資格である 情報セキュリティマネジメント試験 合格を最短でつかみ取りましょう!
0から合格まで、効率的に学習を行うことができます。適切に配置された演習クイズによって能動的な学びを行うことができ、科目B試験についても対策を行うことができます。
-対象となる人
- ITに関してほとんど知識がなく、情報セキュリティマネジメント試験に合格したい人
- 情報セキュリティについて基本を体系的に理解したい人
- ITについて多少の知識はあるが、情報セキュリティマネジメント試験合格のために何を学習すればいいのかわからない人
【受講者のレビュー】
難解で頭に入りにくいセキュリティ用語や概念をビジュアルでわかりやすく解説してくれます。本講義と問題集1冊を使って3か月程度の勉強で情報セキュリティマネジメント試験をクリアできたので感謝です。
これからの時代に必須!基礎から学ぶ「情報セキュリティ入門」|レビュー
セキュマネの試験対策に情報処理安全確保支援士の参考書は役に立つ?
情報セキュリティマネジメント試験合格後に情報処理安全確保支援士試験 (以下、支援士試験) を受験することを見越している方の中には、それぞれの試験の範囲が情報セキュリティに特化していることから「セキュマネの試験対策に支援士試験の参考書が使えるのではないか?」と考える方がいらっしゃるのではないでしょうか。
支援士試験に合格している私の意見は次の通りです。
もちろん役には立つが、難易度は圧倒的に支援士試験の方が高く、掲載されている内容はセキュマネ試験の出題範囲を超えているため、中途半端には手を出さないほうがよい。
準備したセキュマネ対策の参考書をしっかり理解できてなお時間に余裕があるのなら取り組むと良い。
支援士試験の難易度などに興味がある方は以下の記事もご一読ください。
情報セキュリティマネジメント試験の勉強方法
科目Aの勉強を通して基礎知識を学ぶ
情報セキュリティマネジメント試験を受験する方の多くは今までに情報技術・情報セキュリティについて学んだことがない方だと思いますので、まずは基本的な用語を覚える意味でも午前試験の対策から始めましょう。
ご紹介した参考書のテキスト部分を1~2周して試験範囲を広くざっくりと学びましょう。この時点で内容を完璧に理解する必要はありません。
続いて、巻末の予想問題の「科目A」だけを解いてみましょう。
予想問題の解説を読んでいてわからない部分が出てきたら教科書部分の該当するページを開いて確認するという流れで勉強を進めます。
一通り基礎知識を学んだら、過去問やサンプル問題を使って科目Aと科目Bの演習に進みましょう。
参考書の購入特典の問題を全て解く
お勧め参考書の項でもご紹介しましたが、上記の参考書には様々な購入特典があります。
- IPA公式の情報セキュリティマネジメント試験 サンプル問題セットの解説
- 全8回分の過去問題〈午前〉の解説PDFファイルをWebダウンロード可能
これらを全て解き、解説を丸暗記ではなくしっかりと理解すれば、合格レベルに達することができるでしょう。
情報セキュリティマネジメント試験に合格することによる評価
情報セキュリティマネジメント試験は、合格したからと言って高度な情報セキュリティ技術が身についたり開発に携わることができるような試験ではありません。
しかし、会社・団体・学校などの組織において社内システムやメールを利用する状況が多い現代において、最低限の情報セキュリティの知識を身に着けていることは評価されるでしょう。
情報セキュリティマネジメント試験の難易度
情報セキュリティマネジメント試験の合格率の推移や試験内容から見る難易度、基本情報技術者試験と比較した難易度は「情報セキュリティマネジメントの合格率の推移と勉強時間から見る難易度」でご紹介していますので、ご興味があれば併せてご覧ください。
情報セキュリティマネジメント試験の関連資格・上位資格
セキュマネ試験合格後に情報関係の勉強を続ける方には基本情報技術者試験の合格を目指すことをお勧めします。
基本情報技術者試験の科目Aでは情報基礎理論、コンピュータシステムなど情報技術の基本的な内容に加え、プロジェクトマネジメントや情報システム戦略、経営戦略など、IT人材としての素養を学べます。
科目Bでは「データ構造及びアルゴリズム(擬似言語)」が中心に出題されます。擬似言語の学習を通して、普遍的・本質的なプログラミング的思考力を身につけられます。
情報セキュリティをより深く学びたい方には上位資格の情報処理安全確保支援士試験もお勧めです。
セキュマネ試験と比較すると学習する内容の専門性が高くなり、一部の設問の解答形式が記述式になるため難易度は格段に上がりますが、合格した暁には情報セキュリティに関するそれなりの知識が身についていることは間違いありません。